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 職場にて同僚と議論がつい白熱してしまい、スバヤク帰るつもりが帰り損ねてしまいました。こりゃ今夜のメシは米沢で食べていかないと。
 ということで、白羽の矢を当ててみたのが成島町の「麺屋いなせ」です。

 18時50分頃に入店したけど、ココ、19時までだったのですね。ふふ……本日最後の客だぁ。まだ2組ほど客はいたけどね。

 極太のつけ麺がウリのようですが、初来店なのでまずは基本の醤油ラーメンを大盛りで。(600+100円)
 ココの店は米沢には珍しく、券売機方式です。注文するときいつも最後に言ってしまう「……の大盛り」が余計とは思いつつ、券売機に向かって心の中で「大盛り」と言いながら「大盛り券」のボタンも押します。

 ラーメンは、予想に反して細麺でした。米沢ラーメンらしい細縮れで、硬めの茹で方だからなのか最後までのびることなく美味しく食べることができました。

 特徴はスープ。ブシがギンギンに効いていて、レンゲで掬って口に運ぶとブシのざらざらが舌先に感じられるほど。でも、それが不快かというとそうではなく、深い味わいがしてとても美味なスープに仕上がっています。ここまで徹底してブシの味を出してみるという試みは悪くないのではないか。
 ということで、スープは全部味わわせていただきました。まぁ、だいたいいつものことだけど。

 チャーシューは大きめのまんまるで、味わいはわりと標準的。メンマも特筆すべきものではありません。でも、ラーメンはそれが大事。パーツがおのおの主張すればよいというものではないでしょう。標準的でもバランスがよかったり、何かひとつでも特筆点があったりすれば、ラーメンは合格なのだと思います。

 さて、次に訪問するときには、つけ麺のあつ盛りに挑戦してみようかな。200gでも300gでも同価格の750円だ、というのもグーだし。
 問題は、超極太麺なので、ゆで時間が7分もかかる点。昼の時間は込み合うだろうから、またいつか夕刻にチャレンジしてみたいと思います。

 米沢市成島町1-4-79 営業時間 11:00~19:00 基本は水曜休のようです。



 朝の雨も上がり、陽も差してきたので、「一麺亭」へクルマで。

 ラーメンの大盛り550+100円を。
 あまり期待はしていなかったのですが、なかなかいいセンいっていました。

 ご覧のとおり、それぞれの具がシンプルながら、とても存在感があっていいです。ラーメンに器量というものがあるとしたら、初々しくて清楚な美童といった感じです。
 具に関して一番評価できる点は長ネギです。青くて、シャキシャキしたのがたっぷり。これを麺にからめて食べればうんまっ!
 麺も純粋の米沢系。独特のほろほろ感がしっかり備わっています。
 スープもシンプル。変なクセがなくて無難にイケます。
 これに黒胡椒をパラパラと振りかけてずずっと啜れば、職場の喧騒を離れ、こうして一人静かにラーメンを食することのシアワセがじわじわと湧き上がってきました。(店はそんなに混雑していなかったので)

 どうもありがとうね、一麺亭。腹もくちくなったし、これで午後からもがんばれる。



 飯豊町にさしかかったところで正午になったので、地元では「がまの湯」と呼ばれている「いいで旅館」でラーメンを食べていこうということになりました。

 いいで旅館は前々からラーメンがうまい宿として、一部では人気がありました。
 ここでラーメンを食べるのは15年ぶりぐらいかなあ。旅館の建物は新しくなって、御食事処「山麓」なるものが併設されていました。

 チャーシューメン600円を。
 このスープ、一口目は、「淡白でなんだかなぁ」。
 麺をすすって二口目、「おや?」。
 また麺をすすって三口目、「……うまいんじゃね?」。

 よく味わってみると、醤油そのものの味が独特の甘めのコクでもって舌を刺激してくるのでした。
 余計な油分がほとんどなく、「これは素朴でうまいよ」と結論。

 麺は中太の手もみの縮れ麺。チャーシューは、薄く地味めながら、スープとはまた違ったいい味わいのものが6枚。ねぎもたんまり入っていてグッドです。

 弱点らしいものは見当たりませんが、あえて言うなら「見た目」かなぁ。
 運ばれてくる途中にスープがどんぶりから下の受け皿へとたっぷりとあふれてしまっています。そのせいでネギがどんぶりの縁のあちこちにくっついてしまっているのは減点です。
 おいおい、そんなにこぼしたものを持ってくるのか? コップ酒の「もっきり」じゃないんだからさぁ――と思ったもんナ。



 昼休みは「熊文」。米沢ラーメン界の人気店のひとつです。
 12時10分頃に到着したところ、すでに満員で、何人かが並んでいます。でもだいじょうぶ。ココは細麺ということもあってか、やたらと回転が速いのです。

 予想どおり5分と待たずに席が空いて、中華そば大盛り550+100円を。
 これまたすぐに供されたのがこの写真。あっさりした感じでいいでしょ。

 「ひらま」の麺を使用。なので、あのほろほろとしたい~い食感が広がって、うまい!!
 でも、こうしてよく見ると、チャーシューが特にうまいでもないし、具が充実しているわけでもないし、極めてフツーですよね。スープだって、抜群というほどでもないかも。
 なのに、食後にやってくるこの幸福感というのは、いったい何なのか。

 結局のところ、麺のデキと、それにほどほどにマッチする目立たぬ脇役たちの取り合わせが絶妙なのだ、ということなのではないかと思うのですが、どうでしょう。



 帰路に、南陽市でラーメンを。
 今回チャレンジしたのは、手づくりら~めん館「くめ」。某サイトの画像を見て美味しそうだったので。

 ラーメン大盛り600+100円。
 ご覧のとおり、ほぼカンペキな赤湯ラーメンです。
 青海苔が惜しげもなくドバッ!とかけられているのがいいですねぇ。
 ナルトだって、分厚い!というのも好印象。(笑)

 スープは、風味深い醤油の香りと煮干しの香りがハイレベルなところで混淆する、これまた絵に描いたような赤湯ラーメン。これはうまいなぁ。色ほどには塩辛くないので、レンゲでどんどん啜ってしまいます。
 ネギの乱雑な散らしかたといい、分厚い三枚肉風の存在感たっぷりのチャーシューといい、有名店の「龍上海」の醤油ラーメンを彷彿とさせます。

 「龍上海」とちょっと違うのは、麺。赤湯ラーメンというと、もっちりした食感の太麺が一般的なのですが、ココのは中太で縮れがやや少ない感じがします。そして、なんというのか、親水的でないというか、麺がスープとよく絡まないというか。
 なので、口に運ぶとややぼそぼそとした食べ応えで不思議。
 これを好むか、はたまた違和感があると捉えるかで、この店の評価は分かれるのでしょう。自分は好きです、こういうの。



 金曜日になると米沢ラーメンを食べたくなるボクです。(笑)
 ある金曜日の昼食は、「中華そばこやなぎ」。米沢市内の西方にある米沢ラーメンの雄です。
 この店は早くから狙っていたのですが、この前行ったときは満員で、店の奥さんから「20分くらいかかりますが……」と言われ、断念した経緯があります。

 でも、今回はぜひこやなぎの中華を食べたい。なので、20分ぐらい待っても食べるつもりでトツゲキです。
 というわけで、気負って入店すると……。あらら、空いているじゃん。自分を含めて客は4人です。
 この不況下、一流ラーメン店でもこんな日もあるのですね。まぁ、その後にだんだん来客が増えてきていましたが。

 カウンターに陣取って、中華そばの大盛り550+100円を。
 ほどなく運ばれてきたブツはなかなかうまそう! 奥さんに「うまそうなんで、写真撮りますね」と断ってパチリ。
 「写真撮ってもらうなんて、おしょうしな」と奥さん。
 “おしょうしな”とは、この地域の方言で“ありがとう、感謝”の意。沖縄地域語でいえば“にふぇーどー”という感じか。

 で、食してみれば、うんまいんだなぁ、これが!
 麺がサイコー。もう、サイコー!!
 極細の深い縮れをもった麺は口当たりがバッチリ。この麺は、この店の若い店主が自家製で打っている麺なんじゃなかったかな。麺に関しては、東のひらま、西のこやなぎですね。

 昔風のチャーシューは油っこくなく、かといってパサパサでもないほどよさ。メンマも細割きで「老舗」のような風格を添えています。

 スープも美味。主張しすぎないスープというのはなかなかいいものです。
 ラーメンはスープさえ手間をかければいい、みたいに考えているニューウェーブが最近は多すぎるけれども、やっぱりそうじゃないんだってば。
 食後に多少塩辛さが残ってしまうところを上手に工夫すれば、鬼に金棒だと思います。はやい話、スープを飲みすぎなければいいのでしょうけどね。
 近いうちにまた行こう。ここはオススメです。



 日曜日のある日、長井市での会合に出席しなければナラヌ。なので昼前から、スーツに着替えて国道348号を一路長井へ。
 途中で朝メシ兼昼メシを食べるのですが、なんかこう、ガッツリ食べたいという気になれません。まあいいや、ラーメンで……。

 ということで入った街道沿いの「てんまる」。
 おぉ、さすが昼どきとあってか、入店時点で満席です。

 ラーメン550円。
 ラーメン&定食の店のようで、客は野菜炒めとかレバニラとかカレーとかてんでに好きなものを注文しています。それで、厨房内の店主は大忙し。こういうところでのラーメンはもしかしたら期待できないのかなぁ……。

 と思っていたらそうでもなく、これが大アタリでした。
 やや縮れの入った平打ちの太い麺がもっちりしていてとてもうまい。
 スープがなにか香ばしい深みを伴っていてとてもうまい。
 チャーシューには炙りが入っていて、トロトロでとてもうまい。
 うむ、いいんじゃないか、コレ。

 機会があれば再訪したいと思わせるに十分な店でした。
 なお、発見したことがひとつ。
 それは、今回は普通盛りで甘んじたのですが、普通盛りと大盛りでは食べた後の発汗量及び発汗継続時間がまったく違うということ。
 べつにぬるいラーメンじゃないし、スープもしっかり飲んだのに、今日は汗が少なく、ワイシャツに汗のしみができませんでした。

 服も汚れないし、もういい齢なんだから、これからは普通盛りでいくべきなのだろうな。
 ――とは常から思ってはいるものの、朝食を抜いてせっかく食べるのだから、量的にも満足したいんだよなぁ。
 でも、ぼちぼち行動を正すべきときにはきているのだろうな。くくっ、葛藤があるなぁ……。



 南陽市で夕食。どこにしようかな~♪と迷いつつ、フラワー長井線宮内駅近くの「まるひろ食堂」に行ってみました。

 中華そば600円を所望。広い厨房で手際よくつくられた中華そばはご覧のとおり。
 食堂の中華そばではありますが、なかなかうまい。スープは澄んでいて、いかにも胃にやさしい感じがします。
 秀逸なのは麺で、製麺所のものと思われますが、よく手もみがされていてくねくねツヤツヤ。黄色が強く、しっかりとした硬さがあって独特の舌触りです。一見すると白河のとら食堂のものとよく似ていますが、食感は別モノ。赤湯ラーメン特有のもっちり感は少なく、時間が経ってもダレないような麺です。

 しばらくしてやって来た客は、麺4玉、スープ2リットルのジャンボラーメン(千円)に挑戦していました。
 15分以内で食べれば500円の商品券がプレゼントされ、もし完食できなくてもペナルティなしとのこと。好きなだけ食べて千円ならしょうがないよな。

 結果を見ずに店を出ましたが、こっちは普通盛りで十分満足できました。



 米沢は、人口のわりにはラーメン店がとても多いような気がします。なので、あちこちの店を楽しんでみるのですが、とても底が知れない感じ。まだまだ行ってみたい店は多いです。

 今回は市立病院近くの「孫悟空」に行ってみました。
 とても評判の高い店。暖簾には誇らしく「自家製麺」の文字が躍っています。これは期待できそうだぞ。

 まずはと基本のラーメン600円をたのんでみます。今回は「……の大盛り」の言葉はなんとか飲み込んで、と。

 これがまた、噂に違わず非常に美味。スープを一口啜って思わず唸ってしまいました。いやぁ、うまい。生姜の香りがほのかに感じられて、コクも深く、これぞラーメンというインパクトです。
 黒胡椒との相性もまた抜群で、金ちゃんラーメンのスープとよく似ているかもしれません。

 麺もまた、手もみがほどよく入った中太の金ちゃん風。いわゆる米沢ラーメンではありません。金ちゃん系列の山形南原店のそれに近い気がしますが、どうでしょう。スープの絡み具合はこっちのほうが上かも。

 具に関しては、ネギの多いのが好評価。チャーシューは上質のものが2枚。メンマもナルトも十分に吟味をしてのものと見ました。
 これはもう、文句のつけようがないでしょう。

 スープもすべていただいて完食。満足。納得。
 ココは、スープが見えないほどに青ネギをたっぷりトッピングした味噌ラーメンもウリのようなので、それも食してみなければ。
 昼は混雑するそうなので、また夕刻にでも寄ってみようと思います。



 昼食は、米沢市役所近くの「金時」へ。
 ココは、2カ月前、米沢に赴任して2番目に行った店です。
 が、そのときは写真を撮るのを忘れたので、やっぱ、一回行って撮っておかんとなぁと思っていたのでした。
 1番目に行ったのはどこかって? それは、まだ紹介していないので、また今度。

 昼時にしては比較的空いている店に入り、厨房を望むカウンターに陣取って、中華そばの大盛り550+150円を。

 どうです、なかなかいいルックスしているでしょ。
 でも、なのですよ。
 米沢らしい細麺なのですが、あの独特のほろほろとした感覚がいまいち。
 そして、わりとこってりした強めのスープ。味自体は悪くはないのですが、これっていわゆる米沢ラーメンじゃないよね。

 どうもバランスが本当でないという印象。
 まぁ、これって、こちらの勝手かつ贅沢な要求なのだろうけれど……。

 それに、大盛り150円増しと高いところも、どうなのだろうな。
 ということで、少々納得のいかないまま店を出たのでした。



 で、昼の納得のいかなさを晴らすべく、同日の夕食は高畠町亀岡の名店「志づ美」に行ってみました。
 中華そば550円。

 運ばれてきた瞬間に思うのは、「麺が細い!」ということ。
 でも、博多ラーメンみたいなものだったら怒るゾ! ……なんて心配はまったくありません。ココも「ひらま」の麺を使っているのですから。
 ちなみに、「ひらま」の麺を使っているラーメン店はいずれも水曜日が休み、と覚えておくと便利です。

 食してみると、これはうまい!
 本日2杯目にもかかわらず、うまい!
 ほんのりと生姜の香り。これは数日前に食べた「孫悟空」(米沢市)と同じです。
 麺は当然、米沢ラーメンの王道を行くものだし、スープもまたあっさりしている中に絶妙の旨みがあり、これは逸品だと思います。

 しかし、同じ材料を使って同じものをつくっているのに、作品というものはかくも違うものになるのですねぇ。
 人気店であるワケがよ~くわかりました。



 以前から目をつけていた、赤湯温泉街の「ほとり」に行ってきました。
 夕食時、あまり食欲がなかったので、基本である醤油ラーメンの普通盛り520円を。

 太麺か細麺かを選べるようですが、ここは赤湯。迷うことなく太麺でしょう。ほぼ同時に入店したおとうさん二人連れも太麺を注文していました。

 やはり赤湯ラーメンはレベルが高いです。赤湯ラーメンの特徴である太めの縮れ麺は、想像どおりつるつるもっちりでナイス!
 スープはブシが強く、こういう赤湯ラーメンもあったんだなぁと、ちょっと感心。
 チャーシューもまた赤湯系。豚肉の油っこいところを柔らかくつくりあげています。

 あまりにおいしいので、このところの暑さにもかかわらず、スープもすべていただきました。結果、大汗……。
 この充実の味で520円はリーズナブルだと思うなぁ。

 大合格! 次に行くときは大盛りにしようっと。



 ある日の昼、食べてきました。
 4人掛けのテーブル4つの小さな店。そこから見えないところにも座敷か何かがあるようですが、見えないので不明。
 店主と思われるおじさんとアイコンタクトをとってここに座るよと合図して、テーブルで一人で食べていたおじさんと相席させてもらいます。

 お品書きには堂々と“米沢ラーメン”と書かれているのがスバラシイ。
 なので、喜び勇んで米沢ラーメン大盛り550+100円を。

 オネーサンが運んできたのは、うひゃぁ、これはたしかに大盛りだねぇ。(笑)
 米沢の細い麺がどんぶりにたーくさん。一瞬ヒルんだものの、黒胡椒をふりかけて食べれば極めて美味。麺がうまいんだよなぁ。
 なので、はじめのうちは、具に惑わされることなく何口かたて続けに麺を啜ってしまいました。
 うめぇうめぇ。フツーの店の2玉以上のボリュームはあったと思います。

 メンマは昔風のこりこりとした硬めの食感でグッド。
 それ以外はスープ、具材とも、言ってしまえば標準的。けれども、食べてみてのトータルインプレッションはとてもハイレベルだと思います。

 その昔、支那そばと言われていた時代のラーメンとはこういうものだったはずです。
 あとで胸焼けが来るようなコテコテ凝り過ぎスープの新進ラーメン屋を営む店主は、どうしたら店が長続きするかを学ぶため、こういう老舗のホスピタリティを見習うべきだと思います。



 地元の方々の評価が高いようなので、以前から行ってみたいと思っていた店。
 何回か車で近くの街なかを通ったものの、なかなか発見することができずにこの日に至ります。しかし、今回は執念深く路地を虱潰しに当たって(というのは大げさですが)、ようやっと見つけました。
 なぁに、小さくて目立たないなんていうわけではなく、持っていた地図の示していた場所がビミョーに違っていただけなのでした。

 夕刻、他に客のいない店に入って、中華そば大盛り550+100円を。
 レンゲのつかない店のよう。しかし、どんぶりの縁がヌルヌルなので、躊躇なく店主にレンゲを所望してゲットします。

 そのレンゲでスープを一口啜るや、うひゃあ、こりゃあ美味! 米沢ラーメンにしては珍しく、というか、こんなの他にないだろうと思うくらいに深いコクがあります。これはいいなぁ。
 白胡椒をふりかけてまた一口。う~ん、ウマイ……。うっとり。
 けっこう動物系の油が浮いていますが、これが旨みの元とあれば苦になりません。むしろ、それがウマイ。

 麺は見事に米沢でホロホロ。
 チャーシューは3枚で2種類。渦巻き風のものが特に厚みがあっておいしい。
 これで650円ならリーズナブル。納得です。
 気に入りました。いずれまた行くことになるでしょう。

 難があるとすれば、店内の観葉植物。そこから端を発したと思われる蜘蛛軍団が跳梁跋扈していました。テレビの前のテーブルになにか広げて黙々と作業をしているおばさん、ときどき掃除しましょうね。



 米沢市内のはずれにあるかわにし食堂で中華そば550+150円を食べてきました。
 市内随一の人気店。土日や平日の昼過ぎなんかに行ったら満員覚悟ですが、1時前ぐらい前に行ったらゆったりと食べられました。

 おおっ、デカいどんぶりに大量のスープ! その中を泳ぐようにして横たわっている麺はウワサどおり典型的米沢ラーメンです。そうだよな、「ひらま」の麺なんだもんナ。
 米沢ラーメンの王道を行く黄金のスープも澄んでいてすばらしい。してまた、素っ気ないメンマ、チャーシュー、海苔、ナルトもまことにそれらしい。(笑)

 しかし、である。オーソドックススタイルなところは十分評価に値するけれども、米沢市内の各店の中華そばのレベルの高さを知ってしまった今となっては、なんか当たり前のもののようにも感じてしまったことをここに告白しなければなりません。

 わざわざ並んでまで食べるほどのものなのかどうか……。
 もちろん、すごくうまい。だけど、それはある意味、無個性といもの。
 先に訪問した喜久家のような、ウチはこれなんだかんなっ、ガツン!という、店のオリジナリティが味付けとしてほしいわけなのです。
 そして、大盛り150円増しというのもやや高めです。(って、またそれかよ……)

 情報によると、味噌ラーメンは黄色い太麺なのだそう。
 なので、次回訪問時は(また行くワケね)辛味噌ラーメンに挑戦してみようと考えています。



 ある日曜の午前中、仕事で米沢へ。終了は12時前。
 では昼食を、と考えますが、今日はなぜか細麺はパスしたい気分。
 それではと、山形に戻る途中で南陽市宮内に向かいます。宮内は赤湯風太麺の宝庫ですからね。

 「沖ふじ中華店」。店の名前がいいではないか。宮内の老舗です。
 午後1時前に入店するも客はなく、テレビののど自慢を見ながら一人ゆったりと。
 中華そば大盛り550+100円を。漬物付き、レンゲなし。でも、オヤジさんにレンゲを所望したら持ってきてくれました。ラーメンはまずスープを啜ってからでないとね。

 そのスープは、やや濁りがあり、なぜか少しではあるけれども唐辛子が浮いています。それと、札幌ラーメンのような炒め物の香りが。
 どうやらチャーシューに“焼き”が入れてあるようで、その焼き汁がスープに加えられているようです。そして唐辛子は、焼きの際に加えられたものなのでしょうか。
 醤油ラーメンに唐辛子というのは、違和感がないといったらウソになるよな。

 不ぞろいに切られたネギや細めに裂かれたメンマには好感。
 そして、麺はというと、本日の望みどおり立派な中太の縮れ麺。にゅるにゅるとしていて、ウマイなぁ……。

 いくつか疑問点はあるものの、不思議な魅力がある逸品でした。
 ココは焼きそばがウリのよう。この麺でつくった焼きそばなら、さぞかしうまいだろうなぁ。次回は焼きそばだな。



 中華料理屋「椿楼」へと赴きました。
 ココは4月、米沢に赴任して第1日目に昼食をとった店なのです。そのときはランチタイムの酢豚セットをオーダーしたのでした。酸味の効いた熱々のなかなかウマイものでしたが、量やコスパなどに特筆点はなく、その後は行っていませんでした。

 今回はラーメンを食べて写真を撮ろうと、メンマラーメン650円を。
 運ばれてきたものはこのとおり。ナルホド、これは中華料理だなぁ……。
 スープは極めて一般的だし、わざわざ130円も余計に出してメンマ投入を所望したのに、それもたいした量ではありません。量も少なめだし、チャーシューも薄くてぴらぴら。
 でも、麺は確かに多少“米ラー”していましたですかね。

 今後はここでラーメンを食べることはないのかもしれないなあ。
 店の名誉のために付け加えると、五目あんのたっぷりかかった焼きそばがおいしいらしいです。



 米沢市の南部に出向き、昼過ぎに用件を終え、昼メシはどうするかと同行者に問えば、「弁当持ってきていますけど、食べていっても大丈夫ですよ」とのこと。そうかい?じゃあ食べていこうか。どこかいいトコあるかな?

 ということで、用務先の近くの「かまた食堂」に連れて行ってもらいました。
 この界隈ではちょっとは名の知れたラーメン店なのだそう。

 中華そば大盛り550+100円。
 素朴でいい表情をしたラーメンです。
 麺も、具も、スープも、すべてが主張するということを知らないでそこにある、という感じ。
 なのに、とても舌や胃にやさしく、心を安らかにして食べることができます。

 言わば、普段はでしゃばるようなことなんか絶対にないようなひたすら地味な存在なのに、なぜかとても気になるあの子――という感じでしょうか。
 そうだったなぁ。小学校のときなど、同じクラスにもそういう子が一人二人いたよな。

 麺がやや茹で過ぎだったのが残念。
 鄙には稀な……と言うと叱られるかもしれませんが、とても繁盛しているいい店でした。ゴチソウサマ。



 赤湯から宮内に抜ける道沿いにあるこの店、バラック風の佇まいが気になって、寄ってみました。

 ネットで見ておいしそうだったので、醤油ラーメン+チャーシュー550+200円をチョイス。
 う~む、写真がよくないな、ピンボケだ。

 濃厚なスープ。豚骨からだしたと思われる油分が多いこってりしたスープです。それにブシ粉をたっぷり投入している模様で、ややくどい感じがしました。
 こういう味のつくりかたもあるのですね。うまいかと訊かれれば、まちがいなくうまいです。特に、ラーメンにこってりした濃厚さを求めている人や若者たちなどにとってはさぞかしおいしいことでしょう。

 自分はどうかといえば、こういうのもアリだけど、もっとシンプルな、昔ながらのラーメンに想いを致しているので、少し方向が違うかもしれません。

 麺は、宮内・赤湯方面にしてはやや細め。縮れ具合がなかなかいいです。ツヤやコシは合格ラインですが、特に優れているというわけではないのかも。

 漬物つき。青海苔の瓶つき。自由にかけてね、ということらしい。

 何がウリなのかを一人で店を切り盛りしていたオヤジさんに尋ねると、「暑い今どきはつけめんだな」とのこと。「でもな、もっと暑くなっど味噌が結構出んのよな」とも言っていました。
 味噌なぁ。味噌だったらどんなスープなのだろう。味噌にはブシ粉はあまりぶち込まないだろうと思うのですが……。



 市役所近くの桜木町に、こんなところにこんな店があったのかというような地味な佇まいの愛染(アイセン)食堂に行き、中華そば550円を食べました。

 冷やしラーメン(この店では「特中」と呼んでいるらしい)にしようかとも思いましたが、わがラーメン店めぐりの本旨は何だったのかということについてよく考え、この暑い中ではあるけれども熱いほうをオーダー。

 広くない店内は、デコラ張りのテーブルが3つ、小上がりには座卓2つ。すべての椅子が客で埋まったら間をすり抜けるスペースはゼロでしょう。(笑)

 味のほうはなかなかグー。
 醤油の香りが立つシンプルなスープ。濃い色でやや塩辛いものの、飾るところのない庶民的な味です。
 麺は、米沢ラーメンにしてはやや太めの縮れ麺。微妙に食感が異なりますが、普通においしい。
 ぼそぼそとしたチャーシュー2枚に細裂きメンマ。メンマは保存料の匂いが気にならないでもありませんが、まぁ、こんな感じか。小さな海苔の上には胡椒が少々。ナルトはなし。

 昔風の小さいどんぶりになみなみと注がれたスープと麺。特別多くはない量だと思うのですが、見た目としてはとてもボリューム感があり、それだけで満腹中枢は刺激されるものなのですね。普通盛りとしては十分なものだと思います。

 昼メシに一人でふらりと暖簾をくぐって食べる――という行動形態の人にふさわしい店構えとラーメン。けっこうこういう店って、好きだな。

 市内門東町、伝国の杜の近くに「愛染」というラーメン店がありますが、これとは別ですので、ご留意を。