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megoan 201501

 R13バイパスの下り車線、伊達城付近にある「愛庵」(“めごあん”と読む)を初訪問。
 十割下足天ぷら板そばの大盛り。800円のところ、10時台に入店したので「早板そば」となって、100円安の700円で食べることができました。

 まずは、ご自由にドウゾの野菜サラダと漬物を。いくらでも持ってきてよさそうですが、そんなに食べられないのでサラダを中心にお上品に一皿頂戴します。

 ほぼ間を置かずにメインが登場。
 そばは、十割といいながらわりと色白で、角のとがっていないぬらりとした麺線。艶があり、心持ちといった程度に太め。きりりと冷たくて美味。人間に例えれば、40代、女ざかりといった感じか。どこが、どのように、という説明は難しいですが(笑)、山葵を多めに溶いたそばつゆにつけて啜ればつんと鼻に抜ける爽快さがあるあたりも、まちがいなく40代でしょう。(笑々)

 ゲソは、太さはさほどないものの身が極めて柔らかいサクサク揚げたて。お年を召した歯の弱い方でも楽に食べられそうです。

 食中に提供される蕎麦湯も、ちょっぴり熱さが不足するけど、いい香り、色、とろみを兼ね備えていました。

 そばの量は、少し多いけどほぼ適量。この充実度で700円なら再訪はアリです。
 年齢のせいか、このごろは蕎麦がうまいと感じるようになりました。

minaka 201503

 仕事上がりの帰宅途中に「三な花(みなか)」を初訪問。正統派の蕎麦屋で21時までやっているところなんてそうあるわけではないので、ちょっとうれしい。しかも、ミニ丼が充実しているというではないか。

 もりそば+ミニ野菜天丼、650+230円。
 まずはもりそば。山形の有名蕎麦処、「三津屋」の暖簾分けだと聞きましたが、まさにその蕎麦。細打ち、固茹でで、きりっと冷やされていて、喉当たりがたまりません。
 麺量は多くありません。たっぷり食べたい向きは板そば方面に走りましょう。
 めんつゆは、カツオ、昆布風味が深く、絶妙。塩辛いというより甘いほうに振れていますが、これは好みの味です。

 「三津屋」の蕎麦は洗練された感じがして愛好していたのですが、数年前に味が落ちたと感じ、しばらく訪問していません。その時がたまたまそうだったのかもしれませんが、むしろこの「三な花」のほうがかつての「三津屋」のすばらしさを髣髴とさせ、本家を凌駕してしまったかのようにも感じました。

 それと、ミニ野菜天丼。ミニの範疇を上回っています。かぼちゃ、さつまいも、ナス、タマネギが入ったかき揚げ。見た目はぱっとしませんが、冷凍モノではないなかなかのものです。
 ちなみにここの蕎麦は大盛りが230円増し。だったら、大盛りよりもこちらのほうがずっとお得だと思う。
 天丼のほかに、同料金でミニカレー丼、ミニ山かけ丼がチョイスできます。いろいろな組み合わせで蕎麦が堪能でき、ステキです。

 食中後半に運ばれてきた蕎麦湯は熱いのがたっぷり。蕎麦湯もうまい。
 これぞ真の蕎麦屋でしょう。

tsuruyoshi 201503

 東根市蟹沢のR13上り車線沿いの「つるよしそば屋」を初訪問。
 田舎風の蕎麦を供する店として昔から認知はしていたものの、これまで入る機会がなぜかなかったのでした。なので今回は、この店に行くと決めて長駆したところ。

 げそ天板そばの大盛り、昼どき770(通常800円)+150円。
 蕎麦は、見た目のインパクト高し。ぶっとくて、長いものでも20センチに満たないほどの極端に短いつくり。
 つなぎが入っていないので切れてしまうのかと思いましたがさにあらず。お品書きによれば、「食べやすいように短く切った太めの二八田舎そば」とのこと。
 へえー、二八なの。で、この長さは食べやすくするための工夫なのだと。ナルホド。口当たりもよく、山芋も使っているんじゃない?

 食べ応えがあり、結論的に言えば大盛りは不要。でも、こういう田舎蕎麦を後先考えずにガッツリ食べるというのも蕎麦喰いのひとつの醍醐味です。
 途中で休むと満腹になって食べられなくなるので、蕎麦は一気に休まず食べるというのも鉄則。
 それと、田舎蕎麦は小さな蕎麦猪口なんぞで啜ってはいけません。写真にあるような間口の広い大きめの器に放り込んで豪快に啜り上げるのが小粋というもの。まあ、ここの蕎麦の場合、ぶっとくて短いので、啜り上げるというよりも、丼ものをかっ込むような感じに近くなってしまうのだけれども。

 げそ天は、手をかざすと熱がうっすらと伝わってくるほどの揚げ立て。衣はサクサクで、その中のゲソは極めて柔らかく、どこからでも齧り取れるほど。これは秀逸といってよいと思うし、その量も立派です。

 創業50年を過ぎる老舗らしいですが、このクオリティ、この値打ち価格ならばさもありなんと納得です。

yudetarou 201505

 11時台の仙台空港発のフライトに乗る。朝食は食べていない。目的地への到着は15時前。高いだけの仙台空港内の店では食べたくない。となると、空港の近くで11時前には開店している店が必要だ。そんな背景があって利用したのがこの店。知らなかったけど、全国展開なのね。

 かきあげ天丼セット500円。
 安っ! 嬉しいねえ、この価格。

 江戸切りそばと銘打つ細い更科系のそば。山形のものと比べると存在感は薄いですが、午前中の時間帯に手繰るそばとしてはけっこうイケル。
 かきあげ天丼は、からりとした感じのしない揚げ方の天ぷら。タマネギ中心のなんということはないかき揚げですが、どんつゆがしっかりした味なのでおいしく食べられます。

 このボリュームに加えて熱い蕎麦湯でくつろいで500円ならば、納得です。

osobani 201509

 山形駅にほど近い幸町のこの店は、かつて「手打ちそばさん七」だったところ。2年前の夏に開店し、今回初訪問になります。

 当店人気No.1だという「おそばにスペシャル」の大盛り780+100円にしてみました。
 蕎麦と季節の野菜の天ぷら・げそ天、おしんこのセットです。

 味は悪くはないのですが、全体としてこぢんまりとしている印象。
 そう思えてしまう理由はいくつかあって、まず薬味のネギが極めて少量であること。小口切りのネギが10切れぐらいでしょうか。(嗤)
 ネギ好きの人間からみれば「馬鹿にしてんのか」的な少なさです。ネギは最低この5倍ぐらいは欲しい。
 それと、そばつゆも少ない。はじめにこれっぽっちかと思ってしまうと、豪快に啜り上げようという気が萎えてしまいます。
 さらに、蕎麦の盛りも貧弱で、大盛りが他の店の普通程度の量かも。

 そうなるとなんだかいろいろと粗ばかりが見えてしまいます。
 フロア担当が3人もいるのにお茶がセルフだったり、勘定の時も手が空いているのになかなか出てきてくれなかったり。

 でも、天ぷらはまあまあでした。なす、ししとう、にんじん、さつまいも、カボチャにげそ天2。これを天然塩でいただくという趣向です。
 その天ぷらをタレにつけて食べよう思っても、そばつゆが少ないし、猪口の間口が小さいのでネタがつゆまで届かないというジレンマのおまけがついていました。

 ああもう、うるせい客だよな、まったく。(自分)
 再度行くとしたら、夜かな。酒を飲んでから蕎麦というのがいいかもしれません。

moichi 201509

 「茂一そば」を初訪問。
 あいもり(大)680円。
 普通盛りのあいもりが630円、もりそば630円、麦切り600円。いずれも大盛り50円増しで、特盛りはさらに50円増し。うむ、リーズナブルだ。蕎麦ってラーメンと比べて高いという印象があるけど、この価格なら納得できます。
 自分にとっては「大」が多くもなく少なくもなくで、ジャストフィットでした。

 そばは硬めでピンピンしている感じ。
 麦切りはとろりとした食感ですこぶるいい喉越しでした。

 卓上の七味唐辛子が黒胡麻たっぷりで秀逸。薬味に添えられた山葵をパスしてこちらを使ってみたけど、それは大正解でした。

housho 201511

 新蕎麦の季節になったので、それを食べたい。さて、どこで賞味しようか。
 というわけで、手元にあった「庄内そば麦切り研鑽会」のパンフレットを眺め、夜もやっている鶴岡市日和田町の「麺処鵬匠」を初訪問。

 店の品書きのトップを飾る「盛合」700円。蕎麦と麦切りの合い盛りです。
 蕎麦のほうは、手打ちなのでしょうが、包丁で切った蕎麦の形状ではなく、微妙にウェーヴがついていて短め。喉越しや味は悪くありません。
 麦切りは、特に蕎麦の後に食べるともっちりかつとろ~りとしたうどんの舌触りが強調されて、これもまたうまし。

 そばつゆも甘過ぎず塩辛過ぎずで鰹ダシの風味よし。
 普通盛りでも麺量はけっこうあったし、この料金で得られるものとしては上等なのではないかと思う。
 蕎麦湯もとろみがあっておいしかったですが、もっと熱かったらなおよかったでしょう。
 満足。食べ歩くなら、蕎麦もいいです。

kanazawaya 201512

 R112から羽黒山方面に向かう道沿いにある「羽黒のそば蔵金沢屋」へ。ここは少し前にすだちそばの試食でお邪魔したことがあり、今回が2回目。「My Bloom」が使えるので再訪しました。

 あいもりを、店員さんに勧められて大盛りにして。
 1,080+100円のところ、540+100円。となりの席で正規料金を払って食べている人には申し訳ないような気持ちです。
 左は石臼挽きの新蕎麦。たれが2つ付いていて、左の猪口が蕎麦用なのだと。山葵を溶いて一箸手繰り、ぞわっと啜ればたまらなく美味。よくぞ日本人に生まれたりといったところでしょうか。

 蕎麦を食べ終えて、右側の庄内名物の麦切りに移行。こちらは別猪口に生姜と大葉を入れ、少々七味も加えて賞味。蕎麦とはまったく別のとろりとした喉越しが得られ、これまたたまりません。

 大盛りはその時の自分にとってやや多い感じがしましたが、麺類って多少多くたってどんどん腹に入ってしまうもの。あっという間にすべておいしくいただきました。
 蕎麦たれのほうに蕎麦湯を注いで飲む食後のいっときも、店の雰囲気と相まって至福感が高いです。
 いつものことながら、ネギがもう少しあれば文句なし。ごちそうさまでした。

muryoan 201602

 旧羽黒町押口にある「無量庵」を初訪問。
 リーズナブルな価格とボリュームが特徴の店で、そばも麦きりも国産粉にこだわり、つゆは無化調という触れ込みです。

 もりそばの大盛りと天ぷら盛り合わせ、540+310円。
 もりそばは当然ながら生蕎麦で、普通200g440円、大盛300g540円、特盛400g690円。安いよなあ。
 安いけれども蕎麦はホンモノ。細切り仕立てで自分の太め蕎麦好みからはやや外れるけれど、蕎麦の香りが鼻に抜けるいい仕上がりです。
 加えてこの量。蕎麦は多めに食べないと食べた気がしませんが、そういう尺度から言っても自分にはこの大盛りが適量でした。

 天ぷらは少し値上げしたようですが、海老、春菊、マイタケ、サツマイモ、レンコンの5種でこの価格なら他店と比べれば格段に安いのではないかな。
 このコンビネーションで食べても850円というのは、価格破壊の範疇に入るかもしれません。

 そばつゆは徳利にたっぷりあり、不足感なし。薬味にも不足はなく、本わさび添え。サツマイモの甘煮が箸休めになっていて漬物なしというのも潔い。卓上にはご自由にドウゾの天かす。熱いそば茶に蕎麦湯。店員のホスピタリティもいい。
 安いからと言ってどこにも手抜きが感じられないのがスバラシイと思います。

 店では麺の直販もやっているぐらいの自信の麺。
 ああ、美味かったな。この価格で満足のいく蕎麦が食べられるシアワセ。
 再訪確定。麦切りも食べてみたいな。

oishi-ohmatsu 201602

 酒田市生石(おいし)集落の東側の山裾にある「大松家」で昼食。
 天婦羅セット、1,500+税=1,620円。
 来客接待での訪問だったため集中して賞味することはできませんでしたが、田舎そば的な位置取りをしながらもどこかにモダンを感じさせるような蕎麦で、美味。
 天ぷらのふきのとうが少し遠い春を感じさせるえぐみがあって、これも旨かったと思う。

 板そばと天ぷらのほかには、写真には写っていませんが、食前に胡桃豆腐のあんかけ、食中にいぶりがっこと青菜の漬物、食後に柚子羊羹が供されました。
 蕎麦湯もとろりとしてグッド。「こんなにおいしいそば湯を出すところは東京にはない」と来客者。喜んでいただけましたか?

 店主は銀座「大松屋」で修業し、その後故郷の山形に戻り、建築後160年と言ったか、この古民家で開業したとのことです。また、鶴岡市の「大松庵」も兄弟が経営しているものなのだそうです。

zen 201603

 鶴岡市布目の鶴岡バイパス沿い、「らー麺工房はくが。」のとなりにある「お食事処善」(その後「すし善」としてリニューアル)を初訪問。この店、庄内では珍しく肉そばを供する店のようなので、以前から気になっていたのでした。
 大山方面に「麺工房 善」というラーメン店があるけれど、そことの関係はどうなのでしょうね?

 肉そばを出すのだから蕎麦屋なのだろうな、ぐらいのノリで入店。蕎麦のほかに天丼などのどんぶり物もある様子。
 メニューを見て気になったのが、“善の限定”だというまぜそば。肉そば目当てだったのに「限定」に目が眩んでこっちを選んでしまいました。

 まぜそば900円。
 ラーメンのまぜそばは何度か食べたことがあるけれど、蕎麦のまぜそばは初体験です。
 ご覧のようにつくりはラーメンのまぜそばの応用系。
 「すこしラー油をかけてもおいしいですよ」とのことなので、ラー油を回しかけていただきます。

 トッピングは、上から時計回りにタマネギのかき揚、糸唐辛子、ネギ、鶏チャーシュー?、ネギ、そして中央に半熟卵。さすがにメンマは入っていません。
 この下に蕎麦。つゆは熱々で、和風味だけではない濃密なテイストがあります。
 これ、けっこう旨いです。「アリ」です。

 で、余ったつゆに無料のごはんをどぼりと入れて、レンゲではくはくと。ああ、いいなあ、これ。
 最後のひと啜りには蕎麦湯を注ぎ込んで、こっくりと飲んでゴチソウサマ。

 店はご夫婦二人での切り盛りかな。とても感じのよい方々で、またどうぞ~♪の声に送られて気持ちよく店をあとにしました。

iseya 201603

 2013年3月以来まる3年ぶりに、ビッグウイング北の流通センター内にある「伊勢屋」を再訪しました。

 げそもり天700円。
 立派です。これで700円?!
 そばの量は十分。卓上のサービスの玉子をたれに割り入れ、薬味のねぎを少量。七味唐辛子をふって食べ始めます。この大きさのそば猪口(?)がいいです。これに手繰ったそばをどぼりと入れ込んで、卵のぬめりとともに啜り上げるというのが、山形・村山地方の正統的な蕎麦の食べ方なのですよ。

 立派だというのは、天ぷらの質と量に負うところが大きいです。
 サツマイモ1、タマネギをかき揚げ風にしょりっと揚げたもの2、春菊2、小さいとはいえゲソが数えてみたらなんと14本も。これってすごいでしょ。

 昼時とあって、働く男たちが次々とやってきては、ささっと手繰って帰っていきます。
 店内は椅子席とカウンターがあり、店をいったん出て公共スペースの廊下を挟んだ反対側に座敷席があるという一風変わった店のつくりになっています。
 これほどに実質的で格安ならば、また行きたいです。山形新聞・放送本社の裏手にあった「まるごそば」が閉店した今となっては、こういう店は貴重です。

marugomarugo 201607

 「孤独のグルメ」の井之頭五郎サンのように自分は今何を食べたいかと考えて、そうだ、蕎麦だ、しかも「まるご」で――と決定。
 ものすごくおいしい蕎麦というわけではないけれど、あのボリューム、あのゲソ天、あのカジュアルさはほかではなかなか得られない楽しさなのだ。
 旅籠町の「丸五そば」がわけあって廃業してからは、そんな味わいを持つ蕎麦屋は荒楯のココしかなくなってしまったのではないか。
 というわけで、2013年6月以来丸3年ぶりの訪問となりました。

 もり天750円。3年前のときよりも50円値上げされているのはやむを得ないでしょう。
 相変わらず一息つく暇もなくすぐにサーヴされるソッコー作業には笑えます。また、私むかーしから店を仕切ってますといった感じの年季と気合と気骨を兼ね備えた化粧の厚いおばさんも健在でよろこばしい。若い頃から見知っているだけに、あの時代からのン十年の歳月を一人思い起こしたところ。

 ひゃあ、盛りがいいよね。猪口のたれにではなく蕎麦の上に一味をパラパラではなくバラバラとかけ、卵を割ってたれに落とし、箸でネギを少々使って手繰り始めます。これこれ、この味、この醍醐味。
 たれが少々塩辛く、醤油味っぽくなったかなと思うのだけど、以前からこうだったのかな。
 大きくてごわごわのゲソ天も以前のまま。ネギは少なめ。蕎麦湯は熱めでよろし。

 ゲソ天蕎麦は村山地方人のソウルフード。山形の蕎麦は、おいしいし楽しいし、腹くっつぐなります。
 客数が少なくなっているような気がしましたが、お邪魔した時がたまたまそうだったということであればいいなと思います。

fukusoan 201607

 旧羽黒町の川代にあるそば・うどん店「福湊庵」を初訪問。「山形漬物の里 羽黒のうきょう食品加工」に併設されています。

 ざるそば650円。
 細打ち、太打ちが選べるというので、今回は細打ちをチョイス。
 自分の中では「ざるそば」は刻み海苔がかかっているもので、海苔がないのは「もりそば」だと思っているのですが、ここの「ざるそば」は海苔がありません。ちょっぴり残念。
 十割蕎麦だというのですが、これは機械打ちの蕎麦のように思え、手打ち感がありません。
 山手の街道沿いという立地から勝手に手打ち蕎麦だろうと思いこんでいたので、残念。価格から想像すれば、それもあると気づくべきでした。

fukusoan2 201607

 蕎麦はともかく、この店の真骨頂はズバリ、漬物でしょう。10種類ぐらいはあったでしょうか、キュウリ、大根、山芋、カブ、わらびなどの漬物を自分で好きなだけ取って食べていいのよというシステムで、備え付けの取り皿もけち臭いサイズではなくたくさん載せられるもの。これだけでも高い価値があります。

 まあなんですな、ここでは「漬物自由の原則」が適用されることを知っていたので、注文の段階で「板そば」1,100円や天ぷら350円などの過剰オプションはつい控えてしまうことになっちゃうのよね。ごめんね、お店の人。

yoshitei 201608

 ある日の昼、庄内から山形に向かう途中、刀削麺を食べようと思って高速を寒河江で下り、「双福飯店」に向かったものの、あいにく休業でやんの。
 それではその向かいにある「そば処吉亭」で蕎麦でもたぐろうか。

 16カ月ぶり3回目。過去2回はいずれも肉そば(冷)を食べた記憶があるので、今回は「げそ天ざる」780円にしてみました。
 いいデキ。ゲソ天そばでは随一と言っていい山形市荒楯の「そばのまるごまるご」と比較すると、げそ天はボリュームこそ劣りますが揚げたてしょりしょりで美味。色黒の蕎麦もまたボリューム的には劣るものの、山芋が入っているのか口当たりは滑らかで、味的にはこちらのほうが上かもしれません。刻み海苔がふりかけられているところがプレミアム感あり。
 薬味のネギは不足感なく、まるごでは付かない漬物がグッド。
 いいと思ったのは、たれに落とす卵。まるごよりも大ぶりで黄身がしっかりしているため、たれのマイルド感が極めて高く、これぞ山形で啜る蕎麦だなあと感激しました。

 配膳されたもののビジュアルはきれいで清潔感があり、まるごより上。(笑)
 蕎麦湯も温度が高めでおいしくいただけました。
 吉亭、レベルが高いです。人気が高いのもうなずけます。

monzaemon 201610

 戻る日の朝食は、ホテルのサービス朝食をパスして、東京国際空港第2旅客ターミナル3階にある「麺工房門左衛門」にしてみました。これ、昼食兼用になります。
 羽田空港の食事処は、価格帯が千円以上で、なんでこんなものがこの値段なの?というところがほとんど。
 「地代が高いんだからしょーがねーだろコノヤロ」といった声が聞こえてきそうですが、それこそがあなたたちの奢りだっての。店はものごとを客ファーストで考えるべきであって、それを忘れていませんかと強く言いたい。高い金をとるならそれでもいいけど、質そのものは客をがっかりさせるレベルにまで落ちてはいませんか。

 ここに決めたのは、メインメニューが千円以下だったからで、ほかにこれと言った深い意図はありません。
 そば定食920+税=993円。

 入ってみたものの、迎えた店員の言葉がよくわからず、国籍不明。この時点でやや不安になったものの、いまさら退くことはできません。(笑)
 で、そば定食を注文すると、これも国籍不明の男性が釜に麺を投入し、ピピッピピッのタイマーに従って茹でるのですが、茹で時間が来て笊で蕎麦を上げる様子が目をそむけたくなるほどに、雑。案の定、せいろに盛られたそばの中にはずっと前から釜で茹で続けられたと思われる麺が何本か。「打ちたて自家製」と謳っているけど、この茹で方ではダメだろ。
 刻み海苔がたっぷりのところや、薬味のネギとわさびがたっぷりのところは評価しましょう。
 でもって、タレもなあ。店長、これ、化学調味料がけっこう入っているでしょ。味がいいので気にしたくないけど、はっきりとわかっちゃうぐらい入っていますね。

 それから、これもあまり言いたくないけど、写真を見てください。せいろの左側につまようじが挟まっていますよね。これ、何? ワタクシが置いたわけではありませんよ。つまようじなら未使用のものが卓上に束で置かれていますよね。
 ・・・・・・。ちゃんと洗っているの?と心配になります。

 天丼。これはうまい。どんつゆがいいです。でも天ぷらは、さやいんげん2本と細い海老2本。海老は1本でいいから、ネタをもう一工夫してほしかったです。

 もう一度書きます。
 「高い金をとるならそれでもいいけど、質そのものが、客をがっかりさせるレベルにまで落ちてはいませんか。」

zamian 201610

 山形に帰ってくると蕎麦が食べたくなるもので、2日連続の蕎麦昼食。
 蔵王成沢のR13上り車線沿いにこの7月にオープンした「蔵味庵(ざみあん)」を初訪問。ここ、以前はたしか「ごちそう市場」があったところだよな。

 もり天そば700円。
 メニューを見ると、「当店の盛は普通盛りで通常の大盛りの量です。お子様や女性の方は小盛りをおすすめいたします」との威嚇文が。(笑)
 また、「かき揚・下足天がございます。いずれかをお選びくださいませ」というので、かき揚をチョイスしてみました。

 「そばのまるごまるご」のようなあっと驚く配膳スピードはなく、数分後に運ばれてきたものは御覧のとおり。
 麺量は多いとは言えませんが、一般的男性にとってはこのぐらいの分量が適量でしょう。断面が長方形をしたそばの切り口です。
 天ぷらは作り置きで冷めていますが、箸でちぎれるぐらいの硬さで、東根「伊勢そば」のように衣で口内を切るようなことはありませんので、ご安心を。(笑々)

 チューブからにゅるっと出しましたと言わんばかりのわさびを見てやや興ざめ感があります。
 すごくおいしいというわけではありませんが、まずくなければそれで充分。そもそも昔は蕎麦なんて、米ができないような地域で作付けされて腹塞ぎに食べていたようなものなわけで(認識不足か?)、しっかり食べて満腹になればそれでいいのではないか。
 でもまあここ、コスパはなかなかいいと思います。

 最後に、おばちゃんに蕎麦湯を催促し(催促しないと持ってきてくれなかった)、冷えた腹を温めてゴチソウサマ。

sousuke 201612

 「MyBloom」を使って夜限定の特別メニューを食べに、旧藤島町の「草介」を8カ月ぶりに2回目の訪問。

 小天ぷらと東根古代板そば540円。
 とても540円で食べられるものとは思えない立派なもの。日頃「天板」として1,020円で提供しているものの海老天をゲソ天に変更しただけのもののよう。海老が烏賊に変わるだけでほぼ半額って、すごくない?

 揚げたての天ぷらは、タケノコ、春菊、チーズちくわ、しめじ、かぼちゃ、ゲソの6種。
 これに薬味と漬物が付いて、麺量もきっちりあって、手抜きはまったくありません。
 そばたれも蕎麦湯もたっぷりなので、漬物をつまみながら蕎麦湯を猪口に2杯楽しんで仕上げました。

 庄内ではついうどんに走ってしまい蕎麦を食べる機会は少ないけれど、食べてみればうまいものです。
 生真面目そうな店主の丁重な客あしらいにも好感。蕎麦屋なのに「草介カレー・マーヴェリック」というカレーも出すそうで、これも魅力的。カレーを食べにちょいと蕎麦屋へというのもまたオツというものではないか。
 こりゃあ正規料金でもう一度食べに行かなければならんなあ。

seki 201703

 食堂の宝庫、庄内町余目で未訪の店探求し、ある日の昼休み、「蕎麦工房せき」に行ってきました。
 仕事場から車で15分、食べる時間がだいたい10分。だとすれば、調理時間には20分みておけば大丈夫だろうと踏んでのダイナマイトツアーです。さて、首尾は・・・。

 庄内地方で板そばを食べるのは、鶴岡市藤島の「手打ちそば草介」で食べて以来。庄内でそばというイメージは自分には薄く、遡ってみると「草介」のほかに「福湊庵」、「生石大松家」、「麺工房無量庵」、「羽黒のそば蔵金沢屋」、「麺処鵬匠」、「茂一そば」、「田麦荘ななかまど亭」で食したのみとなっていました。

 板そば+ゲソ天、900+200円。蕎麦は高いんだよなぁ。
 大衆食堂でやるように、入店してメニュー短冊を眺め、注文する品を厨房の主人に伝えてから席に着こうとすると、主人は「お茶、出しますから」と一言。
 一瞬何を言っているのか意味がつかめませんでしたが、つまりは「まず席に着け」ということのよう。
 蕎麦屋とは大衆食堂の流儀が通用しないものなのだろうか。いや、そんなことはないだろう、たまたまこの店の流儀がそういうものだというだけのことではないか。

 ナルホドと席に着いて、女将が茶を運んでくるまでおよそ3分。自分の直前に入店した客と長話をしているから遅くなる。そしてようやく「何にしましょう?」と。おいってば。さっき伝えたでしょう。これからつくるの?
 でもって、「ゲソ天は時間がかかりますよ」と。どの程度かかるのか確認すると、5分ぐらい余計にかかるだけですというので、オーダーを変えずに待つことにします。
 しかし、待てど暮らせど注文品は来ず。そしてようやく、20分ぐらい経ってお待ちどうと。
 ああ、もう。先の計算でいくと食べるのに充てられる時間は5分ぐらいしかないぞ。

 これでは味も何もあったものではありません。急いで食べて急いで去る、それだけ。
 そば屋ってのは、こういう店に出くわす頻度が高いです。「こういう店」というのは、「食べに来てくれてもっけだの」ではなく、「なんなら食べさせてやってもいいんだよ」というような、売り手市場的な店のこと。そういうことは蕎麦屋以外ではごく一部のラーメン店にはありそうだけど、大衆食堂ではありえません。客本位が徹底していますから。
 店を始めて16年ぐらい経っていると先客との長話から聞こえてきたけど、老後の楽しみでやっている店に当たってしまったのかなぁという感じでした。

 結局、職場リターンは急ぎに急いだものの、2分遅刻。
 見栄えもよく、量もあり、10割そばの石臼挽きでそれなりにおいしいとは思いますが、再訪はありません。おいしい蕎麦は、内陸にたくさんある客本位の蕎麦店で食べることにします。

yamasemi 201704

 大江町の西部、県道大江西川線の月布川の沢をずっと上っていった貫見(ぬくみ)という集落にある手打ち蕎麦屋「そば処山せみ」を初訪問。

 板そば800円。
 主人が朝に打った蕎麦だそうで、適度に太さにばらつきのある太めの田舎蕎麦風。
 しっかりとした硬めの茹で上がりで、噛み応え、喉越しともによし。
 そばつゆは、鰹節と昆布のいい香りが鼻孔をくすぐるやや濃いめのもので、味もよし。
 蕎麦がしっかりしているので、このつゆに浸しても多くのつゆを吸いません。この小さなそば猪口にこの量のたれならば途中で足さなければならないかなと思っていましたが、それは不要でした。

 添えられたのは、菜の花なのかどうか、茎の太い緑葉野菜の漬物と、大根煮の炒め煮。
 後者は単なる大根煮ではなく、強めの「てり」が入っていて、初めて味わうおいしいものでした。

 通常の昼食として食べるのならば、適度なボリュームで、過不足はありません。
 蕎麦湯を飲む段階で蕎麦たれを少し足し加えてごくり。さらりとしたタイプの蕎麦湯でした。

 西村山地域は蕎麦どころ。ここもおいしかったけれど、ほかにもいい蕎麦屋がたくさんあるのだろうな。それらをひとつひとつ巡って味わっていきたいものです。