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midoritei 201511

 庄内から山形へ向かう途中、西川町間沢にある「美どり亭」を初訪問。
 この日は土曜日で、平日限定のセットものは注文できなかったので、味噌ラーメン750円にラーメン類とセットでお得なミニそぼろ丼210円を添えてみました。

 味噌味では珍しい節粉を効かせたユニークな味のスープ。コクのようなものは今一つですが、この独特感は好評価です。
 そしてご覧のとおり、トッピングがしっかり。焙りの入ったチャーシュー、メンマがたっぷり、ほかにワカメ、コーン、ネギ、胡麻などがのっています。
 麺は、製麺所製でしょうか、味噌に合わせるには若干細めかなと思われるもの。

 正直言って、この普通盛りだけでは量的に物足りません。
 そこで効果的なのがミニそぼろ丼。水分多めの炊き具合のあったかごはんに鳥そぼろ、ネギ、紅ショウガがのっていて、なかなかに美味でした。
 鄙に名店あり、でした。

midoritei2 201511

ekimae 201511

 「うどんの大井」で肉うどんを食べたいので、旧藤島町に日参。しかし、この日も休みなのだった。
 入口の貼り紙をよく見ると、しばらく休んで11月28日から営業を再開するとのこと。むむ、そうだったのか。
 ではと、藤島駅前にある、その名も「駅前食堂」というところに入る。庄内たがわ農協本所のまん前です。

 サッポロラーメン700円。
 旨かったな、これ。代打逆転サヨナラホームランという感じですかね。
 やや太めの麺がもっちりしてうまし。この食感の麺は他では食べられないかもしれません。
 サッポロラーメンって、このあたりでは野菜がたっぷり入った味噌ラーメンのこと。ココの場合、味噌味であることは同じですが、やや塩辛めの味付け。それが、ラードで炒めた豚肉や野菜の味と混ざって絶妙かつこの店オリジナルの風味を醸し出しています。量も立派です。

 過疎化、高齢化が進む集落に昔からあるような佇まいの店ですが、永い年月を経てもこうして生き残っているのには少なからず理由があるのですね。
 再訪可能性は高いです。

ajinot-tsuruoka 201511

 12月6日で店を閉めるとの情報があったので、今のうちにと初めて行ってみました。
 とは言っても「味の時計台」自体は札幌や山形などで何カ所か訪問したことがあり、黄色い玉子麺がおいしかった印象があります。札幌市内の店のほかに、山形ではかつて南栄町(現・長崎ちゃんぽんリンガーハット山形TUY通り店)や北の落合(現・元祖からしみそラーメンだるまや本店)に店がありましたが、今はなくなっています。

 味噌ラーメン+豚丼、750+100円。
 ラーメンは、時計台らしいコクのある味噌スープ。麺は思っていたよりも黄色くないけど、おいしい。
 時計台の定番の茎ワカメが入っていて、そうそう、これなんだよなと思いつつ食べました。
 チャーシューはバラ系で、噛むと脂の旨さが口内に広がるようなしつらえ。

 豚丼も、これが100円なら上等。
 庄内地方から「味の時計台」が消え、このコク深いスープが食べられなくなるのは残念です。

daimaru 201512

 酒田市光ケ丘5丁目の住宅地の中にある「大丸」を初訪問。
 こんなに奥まったところにあっても、この店、けっこう繁盛しているようです。

 みそラーメン800円。
 ん、ちょっぴり割高。でもまあ、暖簾に書いてあった「手打ち」が本当ならば、やむを得ない範囲かな。

 自分のイメージする理想の味噌ラーメンを具現化したようなビジュアル。スープがなみなみと注がれ、しかもそれはくどくもなく淡白でもなく、旨い味噌スープをじっくりと味わえます。
 しゃっきり野菜がトッピング。しかもそれにはモヤシばかりではなくタマネギやキャベツ、ピーマン、ニンジンなどが含まれていて、豚バラ肉を使って野性的な味付けが施されています。
 大好きなネギもたっぷり。そして、ちゃんとチャーシューが省略されることなく、2枚が堂々と鎮座しています。

 麺は、やはり手打ちなのか、ストレートで長め、色白で、食感は極めてもっちり。いわば麺界のスレンダー系餅肌美人といったところ。中華麺らしい味わいではないけれども、口当たりがいいすっきり感のあるつくりです。
 ボリュームについても文句なし。店のオペレーションもよく、気に入りました。

satake-nakayama1 201601

 久々の「中華そばさたけ中山店」。調べてみると2011年8月以来2回目のようです。
 カレーも食べたいのでメニューにない「半カレー」はできないか尋ねたところ、カレーライス650円から100円引きで出せるとのこと。なにぃ!?そりゃ高い。半値近くでなければ食べませんよ。
 仕方がないのでカレーはあきらめて、みそラーメンとどんどん焼き、750+200円にしました。

 みそラーメンは、スープがたっぷり。スープの海を麺が泳ぐような設えになっていて、すごくいいと思う。
 その味噌スープは、かつて山形市域を中心に店舗展開していた「五一ラーメン」のスープに酷似。白味噌が勝った合わせ味噌仕立てでにんにくのパンチが効いており、とても懐かしい味です。
 茹でキャベツとワカメもトッピングされており、チャーシューも柔らかく、これって「五一」だよなあと感心しながら食べました。

satake-nakayama2 201601

 山形県内陸人のソウルフードとして知られるどんどん焼きは、前回ここで食べたときよりもソースが濃くて多いようです。
 もっちりした食感がたまりません。幼少期に10円で買って食べていたものよりも数段厚みがあるしふわふわだし、どんどん焼きも時代とともに進化しているのですね。
 ソースをたっぷりまとわせて食べればボリュームたっぷりで、これって半カレーの量どころではないです。

 ああ、んまかった。味噌ラーメンもどんどん焼きも。至福感は極めて高いです。

igarashi 201601

 中町、柳小路に面したところにある「五十嵐製麺」を初訪問。
 味噌ラーメン750円。

 はじめにカウンターで注文して支払いをしてから、運ばれて来るのを待つというシステム。
 登場した味噌ラーメンは、味付けした挽肉が真ん中にトッピング。その下に茹でたモヤシがあり、これらを混ぜれば立派に味噌ラーメンが出来上がるという趣向です。

 スープの味は、このあたりの味噌の味で、やや赤味噌が勝っている感じ。これに較べると挽肉の味付けはやや甘みがあり、この2つの味のハーモニーがいいです。胡麻油の香りもよく、食欲がそそられます。

 麺は、この界隈では珍しい白っぽいストレート。これってどの麺系列に属するのだろう。もっちり感があってうまいです。

 挽肉を残したくないので、レンゲでスープを掬って飲んでいるうちにほぼ完食となりました。

ichi 201602

 イオンタウン三川内の目立たない一角にある「らーめんいち」を初訪問。
 さあ、何を食べようか。
 醤油らーめん700円で、味噌らーめん720円、辛味噌らーめんがたしか800円だったかな。この価格設定で選べというなら、味噌らーめんだよな。

 味噌らーめんのこってり。
 口径の広くない背高のどんぶりに入っているので、見た目少ないかなと思いましたが、食べてみれば量は標準で、それほど不足感はありません。

 味噌だとチャーシューが入らないのは残念。メンマもネギもなし。野菜はキャベツ、ニンジン、タマネギ、モヤシなどがさらりと軽めに炒められていて、このような素材を生かす炒め方も悪くありません。
 麺は、自家製風のもっちりタイプで、手もみされてピロピロの形状になっています。食感がよく、内陸地方の金ちゃん系列の麺にも相通じるものがあります。
 トッピングの味付け挽肉は作り置きされたもののようで、本音を言ってしまえば、しょぼい。
 スープは、旨みとコクがたっぷりの合わせ味噌仕立てで、少量背脂が入ってこってり。湯気の立ち方が少なかったので、けっこう油分はあったのでしょう。

 全体としてはいいセン行っていると思うものの、敢えてこの店を選択させるに至るまでの決定力はやや乏しいかもしれません。
 今回は夕食時の訪問でしたが、平日のランチタイムにはお得なセットが設定されているようなので、再度行くとしたら昼だろうな。

 この時間、客は自分だけ。それなのに店内の温度はかなり高く、この季節なのにワイシャツ姿になって食べても大汗をかきました。それほど熱々のラーメンでもなかったのだけどな。
 こんなに暑くする必要はないと思うぞ。お冷は温くなっているし。

tonta-amarume 201603

 ある日の昼休み時間帯に、第1~第3候補店まで考えて余目へ。しかしそれらは、既閉店、不定休の休み、定休日と全敗。なんなんだよいったい。
 で、目についた「ラーメンとん太余目店」に飛び込んで、ようやく昼メシにありつけたところ。

 初訪問。とん太と言えば、四半世紀以上前になるのかな、店舗展開を始めた当時は具志堅用高が専属キャラクターになって、東北地方には珍しいとんこつラーメンを出したのでした。山形市にも店舗があって、何度かそこで食べた記憶がありますが、いつのまにか別の店舗になり、何回か代替わりして今は肉そば屋の「つる福」になっています。

 野菜味噌ラーメン780円。ごはんがサービスだというので、それも。
 全国どこでも通用するであろう太め、ストレート、黄色の角麺。これ、山形の「札幌ラーメンどさんこ駅前店」とよく似ています。
 トッピングの野菜は、豚挽肉とともにラードを効かせて炒めたもので、いいボリューム。スープとは別につくっていて、炒めたものにスープを注ぐいわゆる煮出しはしていません。

 スープは、とん太共通と思しき塩気の強いこってりしたもの。こうなると、これにご飯をぶち込みたくなります。
 小さいながら下膨れの器に入ったご飯は思ったよりも充実した量。この全部を残ったスープに投入し、レンゲを使ってかっ込みます。スープの味が強いので、量の多さもなんのその、あっさり完食となりました。

 大きな期待はしなかったのですが、店内には様々なラーメンが写真とともに掲げられていて、何を食べたらよいか目移りしてしまいました。
 ラータンとかNEOとか、一見の者にはにわかに理解できないものもあったので、いずれ再訪してそれらの一部を確かめてみたいと思います。
 年中無休というのも、安心感があっていいですね。

misoya 201603

 2日目の夜は長野泊。善光寺周辺をみっちりと巡り、権堂商店街にも足を延ばして街歩き。
 ホテルが駅前なので、今夜のお楽しみは駅前の飲み屋街だ。

 飲み屋街を歩いて、串揚げとおでんというゴールデンタッグを供する店を見つけて入り、まずは生中とおでん3品(大根、厚揚げ、はんぺん)を頼んでみました。しかし、店内のテレビがうるさく、若い大将は厨房で咳をゲホゲホ。どうもしらけてしまって、おでんのあとは串揚げをいこうと目論んでいたのだけどそれはやめて、店を出ました。

 今夜はこれで切り上げようかとも考えたけれど、だめだめ、ラーメンをいかなきゃと思い直して、そのすぐ近く、JR長野駅善光寺口から至近の「らぁめんみそ家」へ。

 味噌らぁめん670円。
 発注から配膳まで少し時間がかかるのは麺が太いからなのだろうなと思っていたところ、予想どおりの太麺仕立ての味噌ラーメンがやってきました。味噌を食べるならやっぱ太麺だよなと一人納得。
 大将が炎を立てながら豪快に鍋を振って炒めた野菜がたっぷり。それはモヤシとタマネギに彩りのニンジンなどでできていて、シャキ感が高い職人技の逸品でした。
 味噌スープは、赤だしが勝る合わせ味噌で深いコクが感じられ、寒い夜に食べるのにぴったり。東日本の人間の味覚にビシビシ訴えてくるものがありました。

 味噌ラーメンだけどきちんとチャーシューも入っていて(かなりしょっぱめだけど)、おいしい1杯でした。
 これなら繁盛するよなあ。きっと激戦区の長野駅前ではだいぶ老舗の部類に位置付けられるのではないか。

hanakajika 201604

 新庄経由で山形に向かうときに寄った「花かじか」。初訪問です。
 メニューを見渡して選んだのは、「納豆みそ」650円。冬季限定で、大盛りサービスだそう。ならば大盛りで。

 スープは濃厚で、脂の被膜がうっすらとできていてインパクトのあるビジュアル。被膜があるので湯気が立ちません。味噌ラーメンなのに、香りは極めて魚介系です。こういうの、珍しいと思う。
 トッピングとして、多めのワカメ、その上に、挽肉を和えた挽割納豆、メンマ、ネギ、ミズナ、そしてハイトップには糸唐辛子。

 コク深いスープに納豆を溶かし込めば、とろみを帯びたスープが麺にからんで至福の旨さ。ワカメとともに箸で持ち上げて、ずるりと啜ります。
 挽割納豆と挽肉が混然一体になって供される店は、自分としては初めて。ひと手間かけているんだなあと嬉しくなります。
 油っこさが緩和されるようワカメを多用しているのも、トータルバランスを考えてのことなのでしょう。
 麺だって、この一杯の高い独創性を乱すことのない、自家製らしいもっちりしたスグレモノです。

 とてもユニークで上出来だと思う。大盛りサービスなのも愛好家の心をくすぐるし、それで650円という格安価格なのもいい。
 新庄に寄る機会には再訪すべき店としてしっかりインプットしておきましょう。

yajirobei 201604

 昼に、茅原町の「やじろべえ」を初訪問。
 店内には酒のつまみの短冊がズラリと並んでいて、夜には居酒屋で繁盛しているのだろうと思わせます。

 スタミナラーメン650円。
 うひょお、重厚などんぶりに野菜がたっぷり。強火で炒めたと見えて、焦げの具合がうまそうです。
 モヤシとニラ、豚バラ肉がたんまり。優勝軒の富士ラーメンやらーめんぬーぼうの爆中華などは別として、一般的なものでこのぐらい炒め野菜が充実しているラーメンは久方ぶりです。

 スープは味噌味で、コクのあるスタンダードは舌になじんで美味。
 そしてこれに生卵が入るのが泣かせます。学生時代に下宿で啜ったサッポロ一番味噌ラーメンが思い出され、あの時代はラーメンに落とした生卵が贅沢だったなあと懐かしくなりました。

 わしわしと野菜を食べて、後半に生卵の黄身の部分をまるまま口に入れ、その口で麺を啜るというのがおいしい食べ方。たまりまへん。

 これで650円は良心的だし、おいしかった。うどんもあるようなので、今度はそれあたりを狙ってみようと考えて店をあとにしました。
 あ、待て。夜にここで一杯というのもいいかもな。

liebe-kaneyama 201604

 新庄経由で庄内へと向かう途中、ルートを大きくそれて金山町の「リーベ」を初訪問。金山町内の人気店との噂をずっと聞いていたので。
 それにしても夜の7時を過ぎてからこの迂回は、ラーメン好きの酔狂以外のナニモノでもありません。到着19時半、開いててヨカッタ。

 この店の定番メニューのカムロみそラーメン、800円。
 いわゆる笹谷の味噌ラーメンや天狗山系列店と趣向を同じくするつくりです。
 スープが独特で、このクリーミーな味わいはどのようにしてつくられるものかと思いながら、まずはレンゲですくってたっぷりと味わいます。この段階ですでに身体が温まってきます。いや、そんな生易しいものではないな、熱くなってくるという感じが近いです。

 炒めた野菜類がたっぷり。キャベツ、モヤシ、白菜がメインで、他にタマネギ、ニンジン、キクラゲ、フクロダケ、ヤングコーンなど。麺よりも野菜が多いといってもいいぐらいのポリュームです。これなら人気を博するわけだ。

 麺は意外にも細麺。このコク深いスープにはもう少し太めがいいような気がします。汗をかき過ぎないようゆっくり食べたこともありますが、やはり最後はダレたでしょうか。

 閉店間際の時間帯で、他の客は生ビールを飲んでいる者2、晩酌モードの独酌おじさん1。いずれも常連さんのようで、夜のバラエティ番組を店の人たちといっしょに見ながら寛いでいる様子でした。
 ゆるゆるとできる、地元密着のいい店のようです。

tsuki 201604

 酒田のみなと市場内にある「月」。昨年(2015年)3月オープンで、酒田の超人気店「満月」のプロデュース。煮干し、トビウオ、昆布などの魚介系と動物系のダブルスープがウリのようです。
 朝9時からやっているので、ある休日、朝食を抜いて10時頃に初訪問してみました。

 長屋形式の建物のテナントの1室なので、ラーメン屋らしくないつくりですが、とても小ぎれいです。
 セルフサービスが徹底していて、食券を買い、水も自分で。商品はカウンターで受け取り、食後は返却口に持っていくというシステムです。しかし、サービス券を使いたいと申し出ると、「では普通盛りの食券を買ってください」との懇切な応対でした。

 黒味噌中華の大盛りを、大盛りサービス券を使って、650+150-150円。
 客が自ら運ぶには大変なぐらいにどんぶりいっぱいにスープが入っています。これはいわゆるウレシイ悲鳴。辛味噌付きです。
 そのスープ、インプレッシヴじゃないですか。えーと、これは何でできているのかな、真っ黒です。数種類の味噌をブレンドしたという味噌ダレが芳醇な香りを醸し出しています。黒胡麻ではありません。ということは、イカ墨? にしては生臭さがないし、なんだろうなあ? は、竹炭ぃ!? いずれにしてもディープインパクトを感じるおいしいスープです。

 シャープなエッジを持つ中細ウェーヴの自家製麺は、独特の舌触り。シルクが練り込まれているらしい。さすが大盛り、麺量があり満腹になります。
 モヤシ中心の野菜は、若干野菜特有の生臭さがありますが、チャーシューの端肉を使って軽く炒められていてそれなりに美味。
 チャーシューも入っていますが、奥ゆかしいことにすっかり野菜に隠れてしまい見えません。

 けっこう塩味が強いとみえて、食後は舌がひりひりして喉が渇きました。
 満月直系ということであれば、ここでは普通の中華そばもいずれ食べてみなければなりません。

ikedashokudo 201605

 鶴岡市本町の「池田食堂」を初訪問。
 ここは、月山孟宗の季節になると、孟宗筍を使ったラーメンを供する店なのだ。
 地元産の孟宗が出始めたというニュースを見た数日後の5月1日、店へと赴き店の大将に孟宗ラーメンは始まったかどうか尋ねると、「おう、あるよ」と嬉しそうな返事が返ってきました。
 おーし、じゃあ、それ、お願いします!

 孟宗みそラーメン780円。季節限定。
 孟宗汁らしく、ほのかに酒粕の香りがします。もちろん味噌仕立て。厚揚げもいくつか入っています。タケノコがごろごろ。軟らかで美味い。それと豚肉。
 つまりは、孟宗汁そのままという感じで、孟宗汁にラーメンを入れてみましたというわかりやすいつくりです。

 麺は、特徴的とは言えませんが、なんだか麺量が多いぞ。これで780円はお得だと思う。

 ここのメニューはユニーク。塩支那そば、味噌カレーラーメン、味玉海老とろみ麺など、名称だけではその実相が十分に想像できないものが多いです。
 こうなると探求心に火が点いてしまいます。孟宗ラーメンも旨かったし、これから幾度か訪問し、それらのいくつかを実食してみなければナラヌと思ったところです。

suzukiya 201606

 酒田市日吉町の「すずきや」を初訪問。「三日月軒今町支店」のすぐそばにある店です。
 前からこの店の「とろみそ中華」というユニークメニューが気になっていたので、このたび訪問してみました。

 「とろみそ中華」700円。
 見た目と一口めの印象は「酸辣湯麺」でしょうか。片栗粉がかなり強めのもったりした餡のスープです。すごく熱いのでなかなか食べられません。(笑)

 仙台から嫁いできた二代目女将が賄いとして食べていたものを、常連たちのリクエストで出し始めたものだそう。鶏のもも肉にモヤシ、ニラ、ミズナを入れて溶き卵でくるみ、キムチと赤トウガラシで辛みをつけています。
 ほかのどこにもないこういうメニューに時として出会えるのが、食べ歩きの醍醐味です。

 とろみがあるので、中の麺は暴力的に熱い。これを初夏に選んだのは誤りだったかと反省しましたが、幸いこの日は半袖1枚では寒いぐらいに気温が低かったので、大汗をかかずに済みました。
 おいしいスープを完飲すれば、けっこうボリュームがあって満腹になり満足。これで700円は安いと思います。

 漬物皿にはさくらんぼ2個。今がさくらんぼの旬だものな。山形の店では普通にこんな贅沢に出会えたりします。
 また食後には、世話好きそうな女将さんがアイスコーヒーをサービスしてくれました。今日は涼しいですねぇと世間話を少々。

 ところで、県内には「すずき」のつくラーメン食堂が数々あります。
 ここ酒田市の「すずきや」、鶴岡市で店舗の場所が変わった「鈴木そば」、山形市には「寿々喜」系列が4店と「すず木屋」、米沢市には「寿ゞ喜家」と「味処すゞき」。
 これらの店をすでにだいたい押さえていることに、我ながらオドロク。

menta-nishiki 201607

 「麺太」と名のつく店は酒田市内に錦町店と新橋店の2店舗があり、今回、錦町のほうを初訪問。
 これまで何度か向かったのに、いずれも終了後(麺かスープがなくなって終了)だった苦い経験があります。
 11時の開店後しばらく経ってからの時間帯の入店。自分は4番目ぐらいでまだ空いていましたが、その後次々に客がやってきて満員に。どうやら「MyBloom」の第4弾が始まっていたようで、多くの客が540円の白みそ(小)を目当てにやってきているようでした。

 白みそラーメンの中を正価の800円にて。
 小、中、大とあるうち安易に「中」を頼んでしまいましたが、貼られているメニューをよく見ると、「中」は麺量270gとなっていて、これは一般店の大盛りに相当するもののよう。ちなみに「小」は180g、「大」は350gです。

 大量の野菜(大部分がモヤシ、それにニラ少々)を中華鍋でがーっと炒めて、その鍋にラーメンスープを注いで味をつくるいわゆる煮出し製法。つくるところをカウンター越しに眺めるのもオツなものです。
 どどーん!といったインパクトで特大サイズのどんぶりが登場。むむう、でかいよ多いよ。麺だけでなく野菜もかなりの量だもんな。

 味噌スープを一口。ちょっぴりパンチが足りないというか、コク深さに欠ける気がしたので、卓上の壷に入っていた辛味噌を1さじ、これまた卓上の青海苔をびしびしと振りかけ、ラー油も少々回しかけていただきました。
 ラードの効きが甘いのだろうな。でもまあ、こうあっさりしているとたっぷり啜ってもくどくないのでいいかも。

 細・太から選べる麺は、太麺をチョイス。幅3~4ミリ程度の平打ち麺で、太いとはいっても、やや太いぐらいの印象です。おいしい麺ですが、これだけの量があるので後半少しダレてくるのはやむを得ません。
 味噌ラーメンには省略されがちな、極太メンマ3本と大きな豚バラチャーシューが入っています。それにコーンもしっかりと。
 質も量もこれだけの充実度で800円というのはなかなかいいコスパかもしれません。

 満腹かつ納得。予想を大きく上回る店でした。チェーン展開の店を侮ってはイケマセン。

tatsumi 201607

 東根市本丸西の「ラーメン多津味」を初訪問。
 入口の前に「イタリアンラーメン」という幟が立っていたので、その謎を解決しようかと迷いましたが、初訪時はオーソドックスにいこうと、みそラーメン720円をチョイスしてみました。

 この味噌ラーメン、本格派で旨い! スープのコクが深いです。野菜炒めの煮出しスープで、ラードが効いていてニンニク風味がほどよい印象。コク深いのに濃厚でなく、この旨さをずっと啜っていたい気にさせます。
 この味は、山形駅花笠通りの「どさん娘ラーメン」や、寒河江の「五一ラーメン」などの味噌ラーメンのスープに共通する正統派の味だと言えると思います。
 心もち粗めの味噌とたっぷりの青海苔というのもなかなかいいです。

 野菜は、モヤシとタマネギのほかにきれいな緑色のニラが加わっていい炒め具合。肉厚のチャーシューとメンマも備わっていて立派です。
 麺は、やや細麺シフトのほぼストレートですが、サッポロ系の黄色味を帯びた卵麺で、味噌味によく合います。

 いずれもつくりが丁寧で、グレードが高いと感じました。
 とてもいいラーメンを供する店だと思います。

ashira 201607

 食べログで新潟県「五泉・新発田・村上」エリアのラーメン店の4位にランクされている「荒川らーめん魂あしら」を初訪問。
 このたびの目的地(岩船港)からさらに10数km南下したところ、つまりは帰るべき庄内と反対方向にあるのだけど、評判とあらば行ってみようと。

 R7沿い、「自家製麺」の看板が誇らしげに立っており、店舗脇には自家製麺施設までありました。期待が持てます。15時半ごろの入店でしたが、この時間になっても多くの客で賑わっています。

 味噌らーめん岩のり入り770円。大盛り無料なので、大盛りで。
 配膳まで時間がかかりましたが、運ばれてきたものを見て納得。極太麺です。茹で時間がかかるのでしょう。
 それにボリューム感がすごい。ドカ盛りモヤシにロース系チャーシュー2枚、ぶりぶりメンマにシャキ感十分のコーン。これに岩海苔を150円分ごそっ!とトッピング。
 スープは、味噌味ながらけっこうブシの香りも。加えて新潟らしく背脂がチャッチャされていて風味とコクが両立している感じです。スープの量は多くなく、それがためになんだかまぜそばのようにも感じられるところがあります。
 青海苔に少しずつスープをしみこませて麺とともに啜れば、磯の香りが口や鼻に広がって、他店では得られない極めて優れた味わいが体験できました。

 麺も、スープも、全体コンセプトのしつらえも、そして量的満足度も含めて、かなりの実力店と見ました。
 無添加で、動物系の食材を一切使わず、うどん粉でつくったという「さぬき手打ちらーめん」と銘打つものにも興味が引かれました。

hanabusa 201608

 鼠ヶ関で仕事があり、昼の時間帯に「英(はなぶさ)」を初訪問。
 何にしようかなあ。鶏ガラ・煮干し風味の「中華そば」、鯛の焼き干しと白醤油の味わいの「和風ら~めん白」、大豆醤油と魚醤の旨みの「はなぶさのブラック」とあり、これらがすべて600円。ほかにも冷やしラーメン600円、冷やし中華750円とあり、選択にかなり躊躇します。
 しかし、この暑い天気の下で外仕事をした後でも気力・体力ともに元気を失ってはいませんから、クソ暑いときにこそこういう選択も天邪鬼の自分らしいのではないかと考えて、「みそら~めん」750円にしてみました。

 うまいんです、これが。着ているもの全部とタオル1本を汗でダメにするぐらいの根性があれば、盛夏の味噌ラーメンは最高です。
 合わせ味噌とラードの風味が効いたスープ。これにお好みでドウゾと運ばれてきた辛味噌とニンニクをたっぷり加えて食せば、これで夏を軽々と乗り越えられるぞとの自信がみなぎる一杯になります。

 トッピングは、まずは野菜炒め。博多ラーメンに入るような細めのモヤシ、ニンジン、キャベツ、タマネギ、ニラ、豚挽肉が混然一体となり、いい味になっています。
 ほかには、自家製の厚切りチャーシューが2枚、メンマ、ネギ、そしてコーンたっぷり。
 麺は、加水率の低いやや細麺。これって、中華そばには適してはいるものの、味噌ラーメンにはどうかという気がしないでもないですが、わしわしと食べ進めれば極上感が得られました。

 「英(はなぶさ)」、いいです。近ければ通いそうな店。鼠ヶ関、いいですねえ。
 ほかに「イカリ食堂」にも興味があり、行ってみる必要があると感じています。

akashamoji 201608

 佐渡島旅の帰路に寄ったラーメン店。R7沿い、「道の駅加治川」の道路を挟んで真向かいにあります。けっこう人気があるようです。朝10時から営業しているので、朝から車で移動する者にとっては使い勝手もいいです。

 濃熟味噌ラーメンの大盛り、670+0円。しっかり食べ続けているけれども、大盛り無料ならば大盛りをたのむしかあるまい。
 「濃熟」の名に恥じないコク深い味わいの味噌スープ。盛り付け後に焦がし油を少々。どろり系ですがざらざらした感じがなく、クリーミーな舌触りです。

 トッピングの大量モヤシがスグレモノ。さっと湯通ししたものと思われますが、ご覧のように新鮮でツヤツヤ。モヤシの生臭さもなく、どうやればモヤシがこうなるのか、不思議です。
 これをシャキシャキのまま食べるのも悪くありませんが、天地返しをしてスープに浸し、麺とともにパクつくのも悪くありません。

 麺は自家製の太麺。塩辛めのスープをたっぷりまとわせて食べれば美味。
 メンマはおよそ1.5cm角のしっかりしたものが数本、豚チャーシューは薄いものが2枚、ヒルトップにカイワレ。

 おいしく食べられるためか、大盛りでもまあ適量。この充実した内容で大盛りにしても670円というのは、かなり安い価格設定なのではないかと思います。