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sushigen 201203

 年度末、職場の仲間と訪問し、ランチセットの中でも高いほうのものを食べてきました。
 二段ちらし。これ、いくらだと思います?
 これだけのグレード、ボリュームでなんと、1,200円というのです。すげぇ格安! いや、破格と言ってもいいと思う。

 破格だからといっても、ネタは新鮮、肉厚、そしてこれだけの種類が。
 脂ののった中トロをはじめ、生ダコ、特大エビなど回転寿司なら金皿並みのあらゆる寿司ネタが入っています。
 上方右の小鉢は、ぼってりとしたホタテのヒモ。
 ほかに、寿司屋らしい味のする潮汁も付いていました。

 家族経営の少ない人数で、一斉にやってくる多くの客を相手にしなければならないため、昼時は予約が基本になっているようです。
 早めに準備したためかシャリはやや冷め加減でしたが、それを除けば大満足。
 きわめて納得度の高いものでした。

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ohsho 201203

 2回目の挑戦で初入店。1回目は訪問時間が早すぎました。午前11時15分から営業のようです。
 何にしようか考え、メニュー表にあるサバの味噌煮定食750円にしましたが、店のお姉さんにその旨告げるとこの日はそれがなく、魚でしたらこちらがありますと店内の貼り紙を指し示されました。その中から銀鮭の西京焼定食700円をチョイス。

 どうですか、この充実度。
 焼き立てで皮がカリカリの鮭の西京焼が2切れ。
 加えて、いずれも作り置きですがたっぷりの量のフキ煮と鶏肉のマリネ。そして山形の青菜(せいさい)漬。味噌汁は油揚げとジャガイモでした。
 それから、中央上の納豆パックはテイクフリーのサービス品。定食を食べる人はたいがいもらっている様子です。
 ご飯の量もたっぷり。これで足りないと文句を言う人がいるとすれば、大学の格闘技サークル関係か1日4~5食とらないと満足できない育ちざかりの中高生男子ぐらいでしょう。

 味のほうも大合格。
 定食屋の味に対して「フツーにうまい程度」とか「家と変わらない味」とかいう表現を用いて低めの評価を下すヒトがいますが、定食屋の場合はそういうことって褒め言葉に使うべきだと思うのですが、どうでしょう。
 家で出せないような味を楽しむのであれば、それなりの料金を払ってそれなりの場所で食べればいいだけのこと。それができないからと言って定食屋の味がフツーだとか不平を言わないでほしいのだ、ドン!(机をたたいている)

 観察していると、麺類は早くできあがるものの、定食類は店オススメの煮込み定食を除いてけっこう時間がかかるようです。混雑時は要注意。
 ココは、「王将ビジネスホテル」に併設されている食堂。なので、店内も広々していて、仕込みもドンとまとめてやるためか、どこをとっても安定感があります。
 通常なら6人掛けとして使われる大きなテーブルには椅子が4つだし、そのテーブルの配置も他店よりも間隔が広いようなので、サーヴに時間がかかっても平気。なんだかすっかりくつろいでしまったのでした。

atago 201203

 家族のリクエストで松波の「あたご食堂」へ。
 ここの鶏から揚げ定食800円はボリュームとおいしさでこの界隈では有名。でもこれ、自分にとってはやや量が多い。息子たちはこれに嬉々として挑戦するようですが、今回はカツカレー750円でも食べてみようか。

 カレーライスに100円ぽっきりを追加して食べられるというのも良心的だし、まぁ、軽く…などと考えておりました。
 が――。

 Oh!なんと、これもまたすげぇ量じゃん!
 一般店に比べてひとまわり大きいカレー皿にご覧のとおりた~っぷり。
 いったいどこから食べ始めればいいのか…などと一人ごちつつ、まずカツを一切れ……。
 いやはや、熱っちち!! 一口目から口内火傷発症です。
 肉は予想を上回る厚さと質感で、かなりレベルが高いです。

 一方カレーのほうは、ほぼ予想通りの、山形における大衆食堂のカレー然としたものです。
 とろみが強くもっさりとしており、皿の中ほどから食べ進めるにつれカレー全体がそのまま地すべりのように皿の側面を下がっていくタイプのもので、皿全体がカレーまみれになるようなことはありません。(どういう状況なのか、わかっていただけますでしょうか?)
 具は思いのほか充実しており、適度な大きさの豚肉がいくつも。また、印象に残ったのは大きめにカットしたタマネギ。これがほどよくタマネギらしい食感を残しており、なかなかうまかった。

 とても満腹。
 かつて沖縄・那覇港の名物食堂「波布」で食べたカレーライスには及ぶべくもない量だけど、あれは港内労働者に向けたサービス精神があり余って“異常”な範疇にまで到達したもの。
 山形市内のぎりぎり常識的レベル店(量で)の「国味」のカツカレー750円と単純比較すれば、ボリュームは上、カツは互角、カレーの味は好みの問題、というところでしょうか。
 おまぇはどうかって? どちらの店もハイレベルですが、量的満足度を重視する者としては「あたご」に軍配を上げざるを得ないかなぁ。

ringaa 201203

 2度目の訪問。
 前回はメインメニューの長崎ちゃんぽんを食したので、今回は皿うどんを試してみましょう。
 極細麺を揚げたものにどろりをかける本来形590円もありましたが、それではなんだか空腹を満たさないような気がしたので、太めん皿うどん690円にしてみました。

 それなりにボリュームもあり、具もたっぷりだし、うまい。
 でも自分には、皿うどんとはいかにあるべきかについての知識及び経験といったものが少なく、とてもコメントできるような状況にはありません。
 中華料理の五目揚げそばとはまったくの別モノだしね。

 でもまぁ、この店に来たならば、麺2倍に増量してもお値段550円のままの「長崎ちゃんぽん」を食べるのが最良の選択デアル、ということはほぼ間違いないと思います。

oura 201203

 所用で酒田へ。
 旧平田町砂越駅近くのラーメン店「尾浦(おうら)」を初訪問。かなりの人気店のようです。
 まずはあっさりかこってりを選び、その中から醤油、味噌などの好みのラーメンを選び、ものによって麺の種類を選べるというシステムのよう。初めてなので詳しいことはよくワカラナイけど。

 で、あっさりメニューの中から和みラーメン650円を選び、細麺、縮れ麺から縮れ麺を選択してみました。
 見た目も端正。昔懐かしい中華そばの味を再現してみた――というコンセプトのようですが、魚介系がやや勝っているようで、店内のにおいは龍上海とかケンちゃんラーメンと共通するものがあります。

 2種類のチャーシューとたっぷりのネギ、メンマのみのトッピングに潔さを感じるとともに、それぞれがスグレモノ。
 そしてなんといっても、麺がすんごくうまい!
 自家製と思われる中太麺を丹念に手揉みして、きりりと浅めに茹で上げています。
 ちょっぴりもさもさする食感がすばらしく、普通盛りで十分な量ではありますが、200円加えて1.5倍の量で食してみたくなりました。
 麺のデキこそが中華そばの良し悪しを左右するのだということを再認識しました。

 なおスープは、こってりでもなく塩辛くもなく、言うなればケンちゃんラーメンのスープを薄めに、あっさりと仕上げたようなつくりで、飲み飽きず、くどくなく、自分には合っていると思いました。

 ぜひ再訪したい店。酒田にはおいしいラーメンを供する店がたくさんあり、攻め甲斐のある地域のようです。

minatoya 201204

 「手づくりのそばと器」とのサブネームが付く、市内和合町の「港屋」を初訪問。手打ち蕎麦がウリの店ですが、ラーメンもいわゆる蕎麦屋のラーメンとして名高いようでしたので。

 中華そば大盛り580+200円。
 直径こそさほどではありませんが、下膨れが際立つ器にたっぷりのスープで登場。いいんだよなぁ、こういうスープメイン、みたいなルックスが。

 そのスープ。噂どおり牛骨ダシが効いていて、うっすらと浮いている牛脂とともにすすれば、すんげぇ美味! これぞ山形ラーメンの味です。

 やや細めで、若干のウェーブはあるもののほぼストレートの麺は、製麺所のものを使っているのかも。なので、安定感はあるものの、おもしろ味はそうありません。
 しかし、スープがそれを補って余りあるデキになっています。

 2枚のチャーシューに太めのメンマ、海苔、ナルト、それに刻んだ白ネギがたっぷり。
 山形の蕎麦屋のラーメンはその多くがたっぷりのネギをトッピングしている――ということはもっと称賛されていいのではなかろうか。

 おいしい。うまいのだが、大盛り200円はちょっと……。
 この店はスープが第一であるという印象を持ったので、今後は大盛りは避けようと思っています。

tanakaya 201204

 オープンして2か月余りの「俺の中華たなか家本店」を初訪問。
 中華そば大盛り550+80円。いまどき立派と言わざるを得ない値段です。
 まずは器量よし。たまらんでしょう、このルックス。
 スープは濃いめ、かつこってり。うまし!
 表面の油膜が厚めで、そのことが立ち上がる醤油の香りを邪魔しているきらいはありますが、味そのものは醤油の深みと中華そばらしいダシが感じられ。秀逸です。

 麺は、よく手もみが施されたもっちりとしたもの。山形のメジャーである金ちゃんラーメンあたりとの類似性が感じられますが、それよりもずっと太く、インパクトが大きいです。
 大盛りは、たった80円で増量でき、その量も申し分ありません。

 トッピングの白眉は白髪ネギ。輪切りではなく白髪ネギにしたことにより、ネギの持つ辛み、香り、舌触りが引き立つものとなっており、それがこんもりと乗せられていることに拍手!
 もちろん、2枚の大ぶりチャーシュー、メンマ、ナルト、海苔のコンビネーションもそれぞれに質感があり好感。

 つい旨いなぁという言葉が口をついて出てしまうような、かなりハイブローな中華そば。それをこの料金で提供していることに感動すら覚えます。人気店だというのも大きくうなずけます。

 今回はスタンダードでいってみましたが、麺の硬さ、スープの濃度、脂分の調整などに快く応じてくれる店のようなので、近いうちに再訪することになろうその時には、いろいろとカスタマイズして食べてみようと思います。

saraya 201204

 たぶん20年ぶりぐらいの寒河江「皿谷食堂」。
 中華そば大盛り600+100円。

 市内中心部の老舗らしく、店のつくりは間口が狭く奥行きがあり、小さなテーブルを囲んでベンチシートがずらり並んでいるという、これはそう、昭和中期の駅前食堂といった風情でしょうか。
 懐かしさを感じつつ食べる中華そばは、かつて呼びならわした「支那そば」と言うべきもののようです。

 スープは、醤油味が際立つ素朴なもので、香りにはほんのりと生姜が。いいなぁ、これ。
 凝りすぎたスープばかりが目立つ昨今ですが、こういうものこそニッポンのラーメン本来の味なのではないかと思う。

 麺はやや細めのストレートに近いもので、これといった特徴はありません。それは、裏を返せばラーメンのスタンダードでアルということでもあり、こういう類のラーメンとしてはむしろ歓迎すべきことだと思う。

 トッピング、と言うと現代風になってしまうのであえて「具」という言葉を使いたくなるものたちは、硬めで噛めば噛むほど味わいが増してくるような牛製のチャーシューが4枚、大盛りになると追加される茹で玉子1/2、ぶつ切りのネギ、小さめの海苔。
 秀逸なのはシナチク。甘みの強い味付けがされており、かつて具が麺を啜るときの「おかず」だった頃を髣髴とさせるようななつかしいものでした。

 食後の後味はなぜか甘みの残るものでした。砂糖とか味醂とか、なにかこの店独特の趣向があるのだと思います。これが食べる者に中毒症状を呈させるのではないかと思量します。

 この素朴さ、かつての大衆食堂の味を再現できる店が少なくなってきている状況にあって、こういう店は貴重。味を変えることなく末永く営業し続けてほしいと願うものです。

awaitami 201204

 市内小白川町に日替わりランチをワンコインで楽しめる店があると聞き、同僚たちと初訪問。
 行ってみると、かつてここはなんとかという居酒屋だったはずで、10年ぐらい前に一度入った記憶が薄ぼんやりとですがありました。

 日替わりランチ・ライス大盛り500+0円。
 店内の奥の間は意識的に光量を落としてあり薄暗く、タペストリーや置物なども含めいかにもアジアン。なので、フラッシュをたいて撮影してみました。

 この日のメニューは豚肉の生姜焼き。
 メインディッシュにはコールスローとスパゲッティサラダが付け合せ。しきりとして笹のような生葉が使われているあたり、なかなかヨイ。
 3つの小鉢は、アジアンテイストのたれがかけられた冷奴、もやしの和え物、きゅうりの漬物。
 スープはモヤシのコンソメ風。大盛り無料のライスは、茶碗が小さいながらもてんこ盛りで、ドンブリメシ並みのボリュームを凌駕していたでしょうか。

 ライスの質やモヤシを多用するところなどにコストカットが垣間見えますが、この内容で500円というのは立派! 称賛のアプローズです。

 夜は居酒屋になるようで、コースがこれも格安なので、チャンスがあったなら訪れてみたいと思います。

tawaraya 201204

 何年ぶりかで本格手打ちの中華麺が楽しめるたわら屋へ。
 噂によるとしばらく休業していたのですが、2011年の1月から再開し、最近ようやく純手打ちも復活したらしいので、喜び勇んで。(笑)

 手打中華大盛り600+200円。
 うっひゃあ、でっかいどんぶり! 洗面器みたいだ…。箸で直径を計ると、箸の長さの1.4倍ぐらいあるゾ。深さこそありませんが、けっこうな量。見た目のインパクトも大切ですからねぇ。

 スープはコクが深いのかどうか、ダシに醤油が負けているような気がしないでもありませんが、それ単体ですすればなかなかにおいしい。
 これに絶妙の味付けをした薄切りのチャーシューが3枚。メンマ、ネギも抜かりなく、それぞれがいいワンポイントとなっています。

 このあたりまでは数年前に食した時の印象とあまり変わらないのですが、純手打ちの麺は若干趣向を変えた感じでしょうか。
 以前よりもさらに太さのばらつきが目立つようになり、食感もつるりからぼそぼそへとシフトした感があり、「ひろや」の麺から派生して、むしろ「ケンチャンラーメン山形」に近づいてきているような印象を受けました。

 その太さは、うどん並みのものから端っこのひらひらの部分まで多様。
 かつてはこういうものって茹であがりがまちまちになってよろしくないのではないかと考えていたものでした。しかし、茹での均一感は、均一の麺を使う場合に求められるのであって、純手打ちの場合はそんなことは超越し、麺全体としてどうなのかを考えるべきだということに、最近は気づき始めているところです。
 太さばらばらに手切りされ、よく手揉みされた縮れ麺が、バラエティに富んだ食感でいっせいに口の中に攻め入ってくるときのさまざまな噛みごたえや喉越しがたまらないです。

 もう、サイコー! 手打ち麺の醍醐味って、これだよなぁ。このオリジナリティだよなぁ。スープがどうだのトッピングがどうだのなんてことはどこかへぶっ飛んでしまう。
 スタンダードを好み、スタンダードに慣れ、オリジナリティを理解しようとしない人たちには、このヨロコビは理解してもらえないのだろうな、きっと。

michinokuyama 201204

 見かけたり聞いたりはしているけれど、行ったことはなかったなぁと思い立ち、千歳橋のたもとにある「みちのく山長」を初訪問。蕎麦屋の中華そばを食べようと思って。
 きっと昔ながらの味で、よく噛んで食べるような小ぶりのチャーシューが入っていて、海苔の上に白胡椒がかかっていて、シナチクがショボメで……なんてのを想像して。

 「中華(ラーメン)」大盛り550+100円。
 見た目はほぼ予想どおり。下部がふくらみを帯びたどんぶりに、漆山の名店オオミヤ食堂のつくりを髣髴とさせるようなかまぼこと角材のようなメンマをまとって登場です。
 しかし、食べてみるとなかなかオリジナリティに富んだ逸品なので、ちょっと意外でした。

 まず麺。これ自家製なのでは? 黄色みの強い中太麺は太さに微妙なばらつきがあり、端っこのほうは一部ひらひらになっていたりします。
 親水性はあまり高くなく、スープとよく絡むタイプではありませんが、独特の弾力があり、麺を「食べている」ことを強く意識させられました。

 またスープは、外連味のない透明度の高いもので、それなのにコクがあり、極めて美味。雑味のないさわやかな味です。
 そしてこれには秘められた甘みがあり、これぞ蕎麦屋の中華といった塩梅。最高です。

 大盛りなにするものぞ、うめぇうめぇとあっさり完食です。
 胡麻油風味のメンマがいい味出していました。それからチャーシュー。これは蕎麦屋のそれを完全に逸脱し、もう、新作系のラーメン店もしくは洋食系のような柔らかいものでした。旨かったなぁ。

komyo 201204

 山辺町の役場に用事があり、その際に訪問。
 実は、ここが生そばと天ぷらで名高い「浪花亭」なのだと思いこんでいて、ゴリゴリの天ぷらとともに田舎風の太い蕎麦でもたぐってみようか……と考えていたのです。
 で、入ろうとすると、ん? 「光明食堂」?! 店の名前が違うではないか。
 ああ勘違い。でもまあ、ここまで来たのなら入ってしまおうかと。(笑)

 メニューを見ると中華麺のみ。じゃあ初心者は中華そば大盛り550+150円だろうな。
 高齢の男性店主と、これまた高齢の域に入らんとする男性使用人。客もまたご近所の高齢者。それらの人たちによっていかにも山辺らしい、大声で荒々しい口調の会話が展開されていました。まあ、自分も半分地元と言えないこともないので、そのことは格別気にはならず、むしろ懐かしい感じがしたりします。

 中華そばはご覧のとおり、見たところごくフツー。取り柄らしきものは格別見当たりません。
 スープ、麺、トッピングのいずれをとっても凝り凝りのところはあまりなく、ウチのラーメンてのはこんな感じなのよな、と言わんばかりの飾り気のないものです。
 際立つものがないのに全体としてまるく治まっている、というカテゴリーのど真ん中にあるような一品。

 それなりに満足できましたが、近くにあるなら安心してしばしば訪問することはあっても、わざわざ山辺まで食べに来るほどのものでもないという思いも。
 ナルホドね。だからご近所さんが多いんだわけね。(沖縄風言い回し)

 しょっぱいキュウリ漬けが田舎風で風情あり。
 反面、水がぬるいのと、大盛りが150円増しと高めであること、それが大きくないどんぶりで供されるため麺がくっつくこと、などがやや減点。

 そうそう、「浪花亭」は一本西側の道沿いにありました。そのうち行ってみることにしましょう。

hironoya1 201204

 ハマる焼きそばを提供するという噂の、前から気になっていた広野屋を初訪問。
 昔からの店構えのようですが、都市計画道路の拡幅でいよいよ再建もしくは立ち退きが近いのではとの懸念もあり、気が急いての訪問となりました。

 入ってみると、客がいっぱい。でもその場で食べる人は全体の半分ぐらいで、持ち帰り待ちの人が多いよう。中には焼きそば25人前、12,500円也を待っている人もいたりして、なぁんだ、風前の灯かと思ったらすげぇ繁盛しているじゃん。
 店で働く人についても、きっと引退直前の60台の老夫婦かなんかがやっているのだろうと考えていましたが、さにあらず、気風のいい壮年世代が店を切り盛りしていました。
 ということは、ここ数年安泰なのでしょうね。

 周囲の皆さんと同じく、焼きそばと煮込み500+450円を注文。
 まずは焼きそばをご紹介。

 大盛りはヤヴァイと聞いていたので、無難に普通盛りを。
 それは全くの正解で、普通盛りでも十分な量。
 聞いていたとおりボソボソとした感じのするもので、太麺の口当たりは焼きそばとしては秀逸な部類に入るのではないか。
 具は、キャベツ、短冊切りの魚肉ソーセージ、紅生姜、錦糸卵、青海苔、以上! モヤシも豚バラ肉も入らないという、シンプルの極みです。

 そう大きな変哲を感じないごくフツーの焼きそば。ソース焼きそばのあり方としてはこのようなシンプルかつ平凡なのがよいと思う。凝ったソース焼きそばなんて、なんだか気色悪いものね。

 まあ、普通ならば上記程度のインプレッションで終わるものなのですが、これ、どこかに仕掛けがあるような気がする…。
 すげぇうまい!というものではありません。でもこの味、家庭では再現不可なのでは?
 こうなると、近いうちにまた行ってしまいそうな気がするのだな、なんとなく。

hironoya2 201204

 焼きそばついでに注文した煮込み450円です。
 あっさり。
 こんにゃくたっぷり。
 牛肉(よいところでもスジでもない)とちょっとの豚肉を用いているようで、モツの煮込みではありません。
 少量のネギと、その上に緑色の青海苔。

 焼きそば同様煮込みもまた、奇を衒うことのない、シンプルさを地で行くものです。
 これに唐辛子を振り掛け、熱い器を片手で持ち上げて薄口の汁をすすりつつ、焼きそばをもそもそと食べる。――こんなに安価で贖うことができる贅沢があっていいものかと思えるほどの満足感が得られます。