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kifune 201704

 山形市天神町、市立七中近くの「手打蕎麦きふね」を初訪問。以前から意識の中にはあったもののなかなか行けないでいた店で、最近店を新しくしたようです。
 休日の昼どきで、この季節は寒ざらし蕎麦も出るからなのか、店は大混雑。しばらく待ってからの着席となりました。
 配膳されるまでの間本を読みながら20分ほど待っていましたが、揚げ立ての天ぷらを供することに力を入れているのか、厨房内のつくり手のオペレーションがよくありません。フロア担当のお嫁さんの動きや表情はいいので、惜しいです。

 ゲソ天もりそばの大盛り、800+200円。
 大盛を注文して正解。やはり蕎麦は、このぐらいの量がないと満足感が得られません。
 細打ちの純手打ち。田舎そばのようながさがさした感じはなく、また更科そばのような馬鹿みたいな上品さもなく、日常食として食べる蕎麦ならばこんなのがいいなというようなつくりです。

 そばたれの香りが素晴らしく、鰹と昆布のいい感じがよく出ています。
 ゲソ天は秀逸レベル。ぷっくらした足が1本1本分かれているので食べやすいし、前述したとおり揚げ立てだし、足の本数もやたらと多いです。

 蕎麦湯も上等。白濁してややとろみすら湛えている濃いもので、猪口からたれを注ぎ足して薄味にし、これを余ったゲソ天2~3本とキュウリのたまり漬を食べながら飲めば、蕎麦を食べた充実感がより確かなものになろうというもの。

 蕎麦もおいしかったけれど、こうなるとここのラーメン類も試してみる必要があるようです。

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michinoeki-ooe 201704

 「道の駅丼ブリバトル」の3店めとなる、「道の駅おおえ」の山菜天丼780円。(丼ブリバトルは4月27日で終了)
 道の駅としてはあまり大きくない食事処で、店員さんは一人? そうなると切り盛りが大変なようで、5人での訪問で同じものを頼んだのですが、2食分ずつしかできあがりません。したがって、第1陣が食べ終えても第3陣はまだサーヴすらされていない状態に。うーむ、これはどうなのだろうな。

 とはいえ、どんぶりのほうはなかなか立派。
 どん!といった感じの天丼は、揚げたての海老2、ふきのとう、こごみ2、舞茸と、海老のほかは山の幸でまとめたラインナップ。
 どんつゆは市販のもののようで、けっこう濃いめの味がします。
 ごはんは、密度にばらつきのある電子ジャー保温もので、やわらかめの炊き上がりだったのが少々残念。どんぶりの場合のごはんは、どんつゆを吸って粒が立ち、つややかになるぐらいがいいと思う。

 それにわらびの味噌汁と、こごみのおひたし、キャベツの漬物、りんごがつきました。
 全体として春らしさあり、わらび汁にも共感。りんごが一切れ添えられるあたりに手作り感も感じられたところです。

marukichi 201704

 寒河江市島にある「マルキチ中華料理店」を初訪問。
 旧寒河江街道沿いにあるので存在自体は知っていましたが、いずれは試してみようと思いつつこの日まで来てしまったところ。
 ずいぶん古い建物です。夕刻、入り口の引き戸をくぐると客はいず、老夫婦とその孫の年代の男の子がいて、奥から猫の鳴き声が聞こえます。外に出ていた「野菜たっぷり」の看板に惹かれて、味噌ラーメン650円を。

 看板と店のおばちゃんの言のとおり、野菜がたっぷり。キャベツ、モヤシに加えて菜の花(ナバナ)も多く入っています。いろんなところで野菜入りのラーメンを食べてきたけど、ナバナが入った味噌ラーメンは初めてかもしれません。
 全体としてあまりシャキッとしたものではなく、また、肉も熟成感が強いものが少量入っているようなものですが、野菜の量がそれらをカバーしていて、まあ合格かと。

 麺は、やや黄色がかった、おそらくは製麺所製。かなり硬めの茹でで、ぷりっとした食感のものです。ここはラーメン専門店ではなく「中華料理店」だから、製麺所製もやむなしでしょう。
 反面、定食類が充実しているようです。ナルホドなあ、ここならば中華の定食もいいかもしれないなあ。
 スープは、オリジナリティを感じる味噌味。ニンニク風味が強く、黒コショウをまとっています。

 終始客は自分一人。シャツ姿のじいちゃん亭主は、味噌ラーメンを仕上げた後は小上がりに座って店のテレビを見ながら寛いでいました。
 ご夫婦とも愛嬌があり、見ていても話してもたいへんにユニークだったことを付記しておきます。

fukuya 201704

 夕刻に、寒河江市内の老舗かつ有名店、本町の「福家そばや」を4年5か月ぶりに再訪しました。ワンタンメンがウリの店です。

 この店は醤油味の中華そばだという固定観念があったのですが、味噌ラーメンもうまいぞとの情報を得たので、今回は「福ちゃん味噌ラーメン」880円にしてみました。
 味噌ラーメンが780円で、それにワンタンを3個加えたものがこれらしいです。

 しばらくして運ばれてきたのは、どんぶりの喫水線を越えそうなボリュームたっぷりのもの。ビジュアルの印象を3点にまとめれば、この野菜の量はかなりのものだぞ、おっ、なんだか天狗山グループの味噌スープと似ている、ワンタンが純白でそこだけ聖域化しているぞ――と。

 スープを啜ると、けっこうニンニクでパンチを効かせ、野菜炒めに多く投入された豚挽肉の脂とラードでコクづけされています。「天狗山」のようなとろみはありませんが、野菜炒めにはキクラゲが多めに投入されていて、そのあたりは天狗山的です。

 麺は自家の機械打ちと思われるもので、製麺機から出てきたときから縮れてますねんといったぐにぐにの形状。
 この麺に箸を入れる前に炒め野菜を3~4口パクつきましたが、そのあとでも野菜と麺の量は互角に感じられたので、ホント、野菜の量は多いようでした。

 「雪のような」とでも形容したいワンタンは、別途に湯通ししているようで、いまだスープの脂や味に染まっていない、ワンタンそのものの清々しい味がします。NHKの朝ドラ「ひよっこ」でいえば、有村架純扮する奥茨城村の矢田部みね子のようです。
 言い方を変えればスープに馴染んでいないということでもあります。さらに言えば、味噌ラーメンにワンタンはしっくりくるのかという問題もあるでしょう。しかしそれらは、福家ならば許せてしまいます。ここに来たならワンタンはぜひとも食べたいですから。

 想定していた以上に満腹に。
 山形市内に「福家食堂」がありますが、そことの関係というのは特にないのでしょうか。

iroha-hon 201704

 いろは本店はおそらくまだ2回目? 20年ぐらい前に河北町で肉そばの、顎がおかしくなるぐらいにド硬い親鳥肉を食べて、これって冗談だろと思った微かな記憶がありますが、あれはたしかこの店だったように思います。
 河北の肉そばの名店。本店以外にも町内に「支店」と「分店」があるほか、村山市の大久保にも「平野店」があるらしい。
 チャーシュー麺で名をとっている鶴岡市大山の「いろは食堂」は、言うまでもなく関係ないようです。
 13時半過ぎの入店で、超満員の時間帯は過ぎていたので、空いている席にドウゾとのこと。でも、運ばれてくるまでに結構時間がかかったのはなぜなのだろう?

 冷たい肉そばの大盛り、850円。
 全体として濃いめのビジュアル。トッピングの鶏肉が、皮の部分(茶色)と肉の部分(薄白)に大別され、スジっぽい部分が硬そう。しかし食べてみると、確かに歯応えはあるものの、すんなりと食べられる範囲です。肉の部分に至ってはむしろ柔らかいぐらい。肉質についてはずいぶん改良されたということなのでしょう。

 蕎麦は、製麺所製なのか自家製なのかわかりませんが、いずれにしても機械打ち。
 蕎麦は手打ちでなければならないとの確たる信念を持っている人は多いと思いますが、山形の村山地方では機械打ちのものをゲソ天などとともに供する店は多く、腹いっぱい蕎麦を食べたい人に低価格で提供されています。それが意外にイケたりするわけです。
 ここもそんな店の一つ。これだけ多く押し寄せる客に手打ちモノを出せというほうが無理な話なのではないか。

 そばつゆは鶏脂がうっすらと浮き、その香りや味は他店よりも強めだと思う。それこそが肉そばの旨みの元なのでつい多めに啜ってしまいますが、塩辛さも強めなので、飲み過ぎには注意が必要かもしれません。

 量的にもこの程度ならば、ああ食ったなぁと納得できるぐらいの感覚。蕎麦はするすると腹に入ってしまいますから。
 山形の内陸地方に来たならば、あるいはそこに住むならば、冷たい肉そばは日常食ですから、必食です。

asano 201704

 日曜の昼、山形市嶋北にある「とんかつ浅野」を初訪問。
 11時15分頃に着くと、まだ閉まっています。あれ?たしか11時からだったはずだけどなぁ。
 それではいつかまた来ようと店をあとにして信号待ちをしていると、バックミラー越しに店が開くのが見えました。よしそれではと、Uターンして入店しました。

 ロースかつ定食が980円で、これにしようかと思いつつ、もう一枚のメニューを見ると、ロースかつランチ680円というのがあります。11から15時までのサービスメニューですが、それって今どき出血大サービス的な価格なのではないの?
 店の人に両者の違いを訊くと、「肉の厚さとか部位が違うんです」と。うん、それはそうでしょう。
 どう違うのかは結局よくワカラナイけれども、ロースかつランチ680円にしてみました。

 運ばれてきたものを見てびっくり。価格なりだろうとあまり大きな期待は持っていなかったのですが、想像していたよりもはるかに立派です。

 きつね色に揚がったとんかつは、厚さこそ普通ですがこの大きさ。とんかつソースをかけ回し、たっぷり添えられたカラシを多めにつけて齧れば、多少の噛み応えとともに十分に柔らかい、いかにもとんかつらしい味がします。揚げの香ばしさが鼻に抜ける感じもなかなかいいです。

 自分は、とんかつの肉にあまり上品なものは求めません。脂が強すぎるとあとで胸やけがするし、身体が脂を欲しなくなりつつあるのです。
 また、霜降り肉のようなものは焼いて食べるべきであって、それに衣をつけて油で揚げるのはどうかとも思うようになりました。身体によくないですから。・・・ふっ、なんだか自分もすっかり焼きが回ったようですね。

 これに手切りのキャベツのニンジン添え。ドレッシングはなく、よければカウンターに置いてあるマヨネーズをドウゾという趣向です。
 あとはなめこの味噌汁と漬物、小さな冷奴が付きました。
 ごはんはやや少なめ。とんかつが大きいからそう感じるのかもしれません。

 戻って入店してよかった。レギュラー品の3割引きでもこの充実度だというのはすごいことだと思います。
 また、かつ丼680円、カツカレー780円という価格にもそそられるものがあります。
 再訪決定ですね。

ibaraki 201704

 谷地中央の「麺処いばらき」を初訪問。
 ここは「紅四季」のあったところ。「うの亭」、「紅四季」ときて、今は「いばらき」。谷地八幡宮の参道からこちらに移転して1年になるのだそうです。

 この店のウリである「おろし中華」650円を。ランチタイムは大盛りサービスとのことなので、そのように。
 いわゆる肉中華に大根おろしを落としたもので、肉そばで言えば「白鳥十郎そば」のおろし肉そばの発想と同じものです。

 冷やしラーメンなので、中華麺のプリプリ感が重要なポイントとなりますが、細めの麺なのにすごくコシがあって美味。平城冷麺のようだと言えば大袈裟ですが、そう言いたくなるぐらいにいい茹でぶり、洗いぶりです。

 おろした大根が少し辛くて、爽やかな味を演出しています。
 チャーシューではなく、お約束どおり親鶏のこりこりした肉が4つ。蒲鉾は入っていましたが、メンマはなし。肉をもう1~2枚とメンマが入れば百点でしょうが、それは高望みに過ぎるでしょうか。

 冷たくてするすると入るので、麺量は大盛りでちょうどいいぐらいでした。
 おろしの溶け込んだやさしい味のスープをほぼ全部いただいて完食です。

marumaru 201704

 山形市小荷駄町にある「ダイニングまるまる」。不定休で、曜日や時間を変えて過去に7~8回行っているのですが、これまで一度も開いていたためしがありませんでした。
 ある日、“店じまいしてはいまいか”ぐらいの気持ちで立ち寄ってみたところ、おお、「営業中」の幟が立っているではないか!

 さっそく初入店してみると、テーブルがいくつかある小ぢんまりした喫茶店的なつくりで、若いブルーカラー風二人組が定食をかっ込んでいるところでした。
 マスターと思しき男性が、今日の定食は豚肉のピリ辛だよと。ではそれをと注文すると、ドリンクの種類とごはんの量をどうするか問われました。アイスコーヒーと普通盛りをお願いします。

 日替り定食680円。
 見事です。メインは、豚肉の味噌炒めで、肉質は微妙にホルモン方面にシフトしていて、厚みのある充実したもの。ナス、タマネギ、ピーマンが入っていますが、それらよりも圧倒的に肉の量が多いです。炒め時に白ゴマを使っており、仕上げに刻んだネギを散らしています。味はやや塩辛めなので、ごはんを食べ過ぎないペース配分に留意したところ。
 これに、ドレッシングをまとったたっぷりの生野菜が付いています。

 ほかには、菜の花のおひたしのマヨネーズ和えと、厚焼き玉子にネギを散らしたものに、漬物。
 みそ汁には大きくて厚い麩が2つとたっぷりのネギが入っていました。
 ごはんは普通盛りでも茶碗に山盛りですから、これで十分。足りない向きは大盛りはサービスとなるようです。

 近くに「あすなろ食堂」という強敵が存在し、どうやらそこの手法をも参考にしているようで、この価格にしてこの内容はアッパレというか破格というか。
 問題は、いつなら開いているのかですが、マスターに聞けば基本は不定休だそう。だけどその奥から女将さんと思われる女性が、「日曜休日で今はそれ以外はたいていやっていますからまたお越しください」と上手にバックアップ。

 寛ぎ感も高いし、麺類を含めてメニューもいろいろ楽しめそうなので、いずれ再訪してみようと思っています。

maruki 201705

 GWは三陸へ。東日本大震災以降一度も足を運んだことがなかったので、現在の三陸の現実を見ておこうと思って。
 旅の初日の昼は、気仙沼の「中華そばまるき」。自家製麺がいいらしい、というのがエントリーの理由です。

 中華そば680円。
 全粒粉を使っていると思われる自家製麺は、細麺ストレート。中太、手もみ縮れが一般的な山形の人間にとっては、めずらしさ半分。

 スープは、丁寧に出汁をとった感がある優しい味で、なかなかいいです。やさしすぎるかなと感じたので、卓上の「粗挽き」のブラックペッパーをふりかけてやると、味がぐっと引き締まりました。ん~、んまい。
 でも、ミズナを散らした近時流行りのトッピングは、なぜミズナ? 味も香りもない葉っぱを散らすというのが疑問なわけです。その理由が彩りにあるというのなら、ミズナではなくほうれん草のおひたしや、昔ながらの赤いナルトで勝負してほしいと思うのです。
 メンマもチャーシューもデキのいいものだけに、その部分で妥協しているのが惜しいと思ったところ。

 食べていて、鶴岡市にある「温もり中華そば銀河」の中華そばと似ていると思いました。同じ細麺だし、丁寧な透明スープだし、トッピングも似ています。

seiryu 201705

 釜石には「釜石ラーメン」というジャンルがあり、そののれん会まであるようです。
 釜石ラーメンは、特別な統一基準があるわけではないものの、麺が極細の縮れ麺で、スープは琥珀色に透き通った醤油味なのだそう。
 今回入ってみた釜石市内、青葉通りに面した「青龍」もそのひとつ。居酒屋2件をはしごしてからの入店で、カウンターに着席してラーメン550円を注文しました。

 まさに絵に描いたような釜石ラーメンです。極細の激縮れ。
 なんだか見た目はカップラーメンの麺を彷彿とさせます。しかし、予想に反してしっかりとしたコシがあり、啜ればすんなりと喉を通り、飲んだ後に食べるラーメンはこういうのがいいと思ったところ。
 秋田の十文字ラーメンに相通じるものがあるような気がしますが、どうでしょう。
 量はほどほどといったところでしょうか。

 スープも美味。鶏ガラが勝るつくりはやさしくもあり、懐かしくもあり。近時のくどくどとしたラーメンスープは何か勘違いをしているなあと感じてしまう、秀逸なものです。
 この味、シンプルで普通だけど、これまで味わったことがないナニカが潜んでいます。それが何なのか考えながら啜りましたが、結局判明せずに飲みきってしまいました。

 極細麺なので、オーダーしてからものの2~3分で着丼。
 ある説によれば、釜石は古くから漁港が栄え、多少せっかちだが羽振りのよい漁師たちが闊歩していた繁華街では、「待たせないラーメン」が知らず知らずのうちに浸透していった――ということのようです。
 「はやい」は、いい食堂のひとつの条件ですから、それは大歓迎ですね。

seibei 201705

 賑わいを見せる魚菜市場の真向かいに位置する「麵屋清兵衛」へ。ここのウリは「キムチ納豆ラーメン」880円だというので、それを食べてみました。

 うひょーっ、ボリューム満点です。
 モヤシとキムチと豚バラ肉の「豚キムチ」が大量投入され、その湯気からはほのかに漂う納豆の香りというユニークさ。納豆の粒は挽割納豆よりも粒が小さく、もしかしたらジューサー処理しているのかもしれません。
 豚キムチはモヤシがたんまりで、豚バラ肉の比率も高め。スープの色は赤。半熟卵が真ん中にぽったりというのが視覚を刺激します。それらは麺がなかなか出てこないぐらいの迫力です。
 麺は、「ゆきちからを使ったこだわりの自家製麺」とのこと。もっちりとしたストレートの太麺です。

 はじめはモヤシをモリモリ食べ、その後にようやくたどり着いた麺を食べ、後半から卵に箸を入れてトロリ感をつけながら残った部分を食べます。

 「麵屋清兵衛」は、盛岡を中心に岩手県で店舗展開をしている「柳家」系列。キムチ納豆は柳家の看板メニューのひとつのようです。

 盛岡では「白龍本店」の「ろうすう麺」を食べようと内丸緑地にある店を目指しましたが、18時になんなんとするこの時間帯でも長い行列が。なので、まあいいやと簡単にあきらめて、大通の飲み屋街へ。
 大通に面する「末廣ラーメン本舗盛岡店」の真向かいにある「又八盛岡店」に入りました。
 なぜココかというと、歩いていて「炙りベーコンの熱々ポテサラ」のメニュー札が目に入ったから。ポテサラで飲みたいなあと思っていたので。

 大通りの地下にあり、「囲炉裏端を囲んだ臨場感ある店内で、昔ながらの炉端焼きが楽しめる新感覚ダイニングが盛岡に登場!!」(食べログ)という店です。
 威勢のいい若い店員たちの店。さっそく角ハイボールと「炙りベーコンの熱々ポテサラ」を注文。

matahachi1 201705

 新鮮野菜がお通しで、これに2種類の味噌をつけて食べる趣向。こういうの、いいと思う。脂ものでくたびれつつある胃袋にはとてもやさしいし、新鮮な野菜で角ハイというのは意外にも合っていると思いました。

matahachi2 201705

 でもって、運ばれてきたポテサラは、540円で、吉田類なら「これで一人前?!」とウレシイ悲鳴を上げるだろうというほどのボリューム。
 これ、ジャガイモ2個ぐらい使っているでしょう。そして厚切りベーコンもどっさり。さらには半熟卵がドン。卵の下にはマヨネーズが少々。
 想像していた一般的なマヨネーズ和えのポテサラではなかったけれども、これはうまかったし、ほかの食べ物を食べなくとも腹がくちくなりました。

 いい店だったと思います、ここ。

toraya 201705

 満州にらラーメンで名をとる花巻の「さかえや本店」に行ってみたものの、長蛇の列ができていたのであきらめ、北上市の花巻寄り、常盤台というところにある「手打ち中華とら屋」で昼メシを食べました。

 こちらはすんなりと着席でき、券売機でスタンダードの「手打中華」680円をセレクト。
 深さのある縦長どんぶりにおさまったビジュアルは実にうまそう。それを目で愛でて、スープを一口。ダシばかりでなくかえしの醤油の味と香りがしっかりしているのを確かめた段階で、はっ!と思い出しました。これ、白河の「とら食堂」にそっくりなのです。ははあ、主人はとら食堂で修業した人かな。店名も「とら屋」だし。

 店名でも謳っている「手打ち」の麺は、製麺機ではなく手打ちでやや太めに打ったものを少し熟成させたもののようで、しっかり手もみが施されて縮れています。茹でも慎重に行われていておいしいです。
 トッピングはほぼ「とら食堂」と同じ。チャーシューは3つ? 縁が少し赤くなっている仕上がりがとら系であることを強く主張しています。
 ホウレン草とナルトが彩りを添えています。ミズナなんかでごまかすようなことはしません。

 途中から卓上の刻みタマネギとブラックペッパーを加えて食べれば、味が変わって楽しい。
 岩手の北上でとらのラーメンに出会え、喜びのあまりうめいうめいとがっついて食べてしまいました。とらの中華を並ばずに味わえるなんて、北上の人はシアワセです。
 思わぬ僥倖に大満足して店をあとにしました。

saika 201705

 一関に泊まる夕刻、一関市の上の橋通りにあった小さな中華料理店「中国料理菜咖」にふらりと入って、一息つきます。
 30歳前後?のフロア担当と、厨房の料理人の男性二人での切り盛りのようです。

 瓶ビールと酢豚、630+800円。
 手酌でビールをグラスに注ぎ、熱々の酢豚をつつきます。冷たい辛口ビール。正統派の酢豚。これってささやかかもしれないけれどもシアワセ感が募ります。

 はじめのうちは空いていたけれども、時間が経つにしたがってほぼテーブルが埋まりました。なので、飲み足りなさを感じながらも、ここらが潮時と判断して自主退却しました。いいんだ、これからゆっくり宿の部屋で飲むから。

 まだ酔いは回っていないので、たそがれ時の市内散策としゃれこみました。いい町だったです、一関。

takeya 201705

 一関から戻る途中、登米市迫町佐沼の「らーめん厨房たけや」でラーメンを。
 マルの中に「丈」が大きく染められた暖簾。メニュー表や箸袋には「こだわることにこだわった、水・塩・食材」と書かれており、登米でとれた食材を使うようにしているようです。

 いちばんのウリだという、たけやラーメン990円を注文。
 いい値段ですが、トッピングの全部乗せ的な位置づけのよう。
 その豪華なトッピングは、厚切りチャーシュー3+端肉が2枚ほど、極太メンマ3本、味玉1/2が2個、ぷりぷり海老ワンタンが3個、板海苔、ネギ、刻みタマネギ。

 スープは、醤油と塩から選べ、注文した醬油味は塩も使ってバランスをとったと思われる薄色で、やや白濁しているもの。いい生姜香が食欲をそそります。これには白胡椒が合うよなと卓上を見ると、ギャバンの「白」が。これを適量振りかけていただきます。

 大量のトッピングに隠れて見えない麺は、やや細めのストレート。箸でいったん持ち上げ、再度スープに浸してぞぞっと啜り込めば美味。
 トッピング充実系もいいものです。空腹が十分に満たされました。

mochiya 201704

 川西町吉島地区にある「もちや」を、ある土曜日に初訪問。
 7~8年前ぐらいから訪問すべき場所として意識していた店で、近年ローカル民放のラーメン番組に登場して注目度が高まっているようです。

 中華そばの大盛り、550+150円。
 中華そばには普通のものとブシ系のものの2種が用意されていて、単に中華をと注文すると前者が供される仕組みです。

 ほどなく運ばれてきたものを見て、これぞ真の中華そばという眺めに喜びがいや増します。
 鶏ガラと野菜で取ったスープは、鰹の香りと風味がよく、例えればまだ人生の苦渋を知らない純朴な少年の立ち姿のような味わい。余計な主張がなく、一方で将来必ずや大きく羽ばたく素質を秘めているとでもいうような・・・。
 これに「世間の荒波」にも似たテイストのブラックペッパーを多めにかけて、少し成長させてやって(笑)食べ始めました。

 素早い配膳だったのは、麺が細い米沢系だからでしょうか。縮れが強く、米沢ラーメンとしての味と喉越しを強く感じる、浅茹での逸品。こういう麺って啜り甲斐があって大好き。大盛りにして大正解です。
 噛むと脂がじゅわりとくる豚バラチャーシューもスグレモノでした。
 トッピングの全容はとてもきれいだし、うずらの卵がよいアクセントになっています。

 いやぁ、おいしかった。
 古典的な中華そばのカテゴリーに入るかなり秀逸なラーメンだと思いました。金ちゃんラーメン系の中でも上位にくる城西店の中華と肩を並べているといったら大袈裟でしょうか。わざわざ山形から食べに来た価値があったというものです。

 食べ終えて店を出たのはほぼ正午の時間帯で、7~8人の行列が。「ココで並んでいるのを見るのって初めてだよねぇ」との常連さんの話し声を聞きながら店をあとにしました。

rinrin 201704

 東根市蟹沢のR13とR287の交差点の東あたりに位置する「らーめんりんりん」を初訪問。北村山地区に未訪の店が多く、そのうちのひとつをつぶそうという考えです。
 いわゆる“街道沿いのラーメン屋”的な古いつくりの店。

 しばし店内のメニュー短冊を眺めます。ホルモン炒めなどの定食やカレーライス、丼ものまで。ラーメン店でありながら何でもアリの大衆食堂になっているようです。
 ラーメン類では800円が最高値で、その中から「味噌五目ラーメン」800円をチョイスしました。

 けっこう迫力のあるビジュアル。味噌仕立てのスープの上に、片栗粉を使った五目あんが乗っているつくりです。
 スープはまさに味噌味だし味噌の色。しかし五目あんは色のない透明に近いもので、塩味すらついていない、よく言えばさっぱりとしたもの。塩や胡椒を入れ忘れたのではないかと疑ってしまいます。そして、ユニークではあるけれども、この味噌スープにこの透明あんのつくりって、マッチするのか?という疑問。
 全体の味としてはこのぐらいの濃さが妥当なのかもしれませんが、両者間の塩気の落差が大きすぎます。また、スープにあんが溶け込んだときの見栄えもいいとは言えません。

 食堂系の店なので、中華麺はおそらくは製麺所製。したがって、そう特徴的なことはありません。茹でが強めなのが少々残念です。

 しかし、具材は充実していて高評価。モヤシ、キャベツ、キクラゲなどが入ってボリュームたっぷりです。ヤングコーンが2本。ご覧のとおり豚肉は多めだし、むきエビが2つに、うずらの卵はなんと3個!のゴージャスさ。
 というわけで、けっこう腹がくちくなりました。

cafe kura 201705

 朝日町宮宿の商店街にある「Cafe蔵」を初訪問。
 蔵造りのきれいな外観。蔵を改装してこの店を始めたのは昨年の8月だと、この町に移住してきたらしい店の女性から聞きました。

 この日のデイリーランチA 780円は、ガパオライス。
 「ガパオライスって初めてだけど、どこの国の食べ物なの?」、「どうやらタイみたいですよ」などと同行者と話しながら、待つこと20分ぐらい。で、運ばれてきたのがコレ。

 ふーん、こういうものなのね、ガパオライスって。
 味の付いた挽肉、型で取ったご飯の上にブラックペッパーがかけられた目玉焼き、サラダはブロッコリーやプチトマトもあってフレンチドレッシング仕立て。
 オリエンタルな香りと味がする挽肉の部分がとりわけおいしい。

 つまりは「鶏肉のバジル炒めご飯」で、玉ねぎ、赤・黄ピーマン等の野菜にバジルを加えて炒めた鶏挽肉と、ご飯・温泉卵をぐちゃぐちゃに混ぜて食べる(混ぜるかどうかは諸説あり)エスニックがっつり丼――なのだそうです。

 これにドリンクが付いたならウレシイのですが、それはなし。
 まあ、男たちが働く昼に食べるものとしてはいささかもの足りないけれども、たまにはこういうのもいいのでしょう。
 朝日町の蔵でタイ飯を食べるという不思議な組み合わせも一興だったと思います。

takano 201705

 寒河江市六供町、左沢線沿いの奥まったところにある「たかの御食事処」を初訪問。
 ネットで情報収集をしていて、ここの海老天丼うどんセット980円がよさそうだと思ったので。

 ある日の開店直後、11時30分に入店し、その「海老天丼うどんセット」を注文すると、「それは季節商品で今はやっていないんです」とのこと。メニューには記載があるのになぁ。あ、でもよーく見るとこれは3月までだったようです。
 じゃあどうしようかと思いなおしていると、店のおばさんは「じゃあ天丼の大盛なんかどうです?」と。ナルホドな、それでは「おすすめ」と書いてある海老天丼を大盛りで。大盛りはサービスだそうで、850+0円。

 見栄えが素晴らしい。東京浅草で食べたバカ高い天丼よりもこちらのほうがダンゼン食欲をそそります。
 海老がなんと7本とはゴージャス過ぎはしまいか。レンコンとピーマンもあり、天ぷらてんこ盛りの状態で、うれしい悲鳴です。

 丼つゆの味はしっかりしていて、柔らかめのごはんが苦にならないおいしさ。天丼なのでこのぐらいがいいのかもしれませんが、結構油が勝っている感じです。
 大盛りですが、この強めの味であれば、これぐらいが一般男性にとっては食べたなぁと実感できる妥当な量でしょうか。

 付け合わせのワカメと豆腐の味噌汁は、どんぶりとは対極をなす薄味仕立てで、箸休めの飲み物としてほっとできるような塩梅。
 ほかに、くどい天丼にぴったりのあっさり冷奴、たしかな量の漬物、マンゴー味の杏仁豆腐。
 熱めの茶は注ぎ足してもらえるし、なんと食後にはおいしいコーヒーまで供されました。

 けっこう穴場なんじゃないですか、ここは。
 年配女性グループはどなたも、天ぷら、寿司、刺身などで構成されるレディズランチ1,080円をたのんでいました。「もうレデーなんて齢ではないげんとよー」などと馬鹿笑いしながら。(笑)
 また、コスパと実質的なものを求めてやってきたのであろう中年男性お一人客も。あ、それって自分も同じ境地だよな。

furuya 201705

 寒河江市元町の「ビストロふる家」を昼の時間帯に初訪問。
 双子の兄弟の経営で、夜は洋食、昼は和テイストの定食を、二人が分担してやっているようです。

 入り口の黒板でその日のおススメメニューが確認できます。ほかにも昼の定番メニューがずらり。
 おすすめメニューの中からミックスフライ定食950円を選んでみました。

 四角い大皿にフライと生野菜。これにどんぶりのごはんと合わせ味噌を使ったワカメの味噌汁に漬物の、黄金のコンビネーションです。
 写真に入りきれないので、漬物の小皿をメインディッシュに載せて撮っています。

 揚げ立てのエビフライ2、白身魚フライ1、鶏唐揚げ2。白眉はフライのパン粉で、サクサクとした食感が極上。ある程度の油を吸ってこんがりとした色合いと優れた香ばしさがあります。フライって、揚げ方がいいとパンの味がするものなのですね。
 フライにはこれをたっぷりつけて食べるのがいいのだと主張しているような、カップに満タンの自家製タルタルソース。そうそう、そのとおり。フライにぼてっとそれをつけてショリッと。至福であります。
 そして、エビのプリッとした食感! 「ビストロ」とおフランス語を冠しているだけあり、定食屋の域を上回る質感も兼ね備えているようです。
 キャベツにはコーンがトッピングされ、ひと手間かけたと思われるドレッシングもオリジナルな味がします。

 いやぁ、まいったな。期待した以上の満足感が得られました。ボリューム的にもオッケーだし。
 ここも再訪確実です。