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daiou 201303

 以前から気になっていた店でしたが、訪問するまでには何度か逡巡しました。住宅街にある、古くて入りにくそうな構えだったりするので。
 でも、今回初訪問。昭和レトロだという雰囲気をぜひとも味わってみたくなって。

 開店時間直後に訪問すると、営業中の看板は出ているものの、店には誰もいず。大きな声で「こんちわぁ!」と呼べば、すぐ隣の部屋から返事をするおじさんの声。なんだよ、近くにいるんじゃないか。
 出てきたのは70代とおぼしきおじいさん。
 チキンカツ定食600円を所望すると、それじゃあ始めっかといった風情でおもむろに調理台に火を入れます。なるほどなぁ、確かに昭和だなぁ。しかもそうとうに初期の。

 L字型のカウンターに10席弱。火を入れてからだから20分以上かかって注文品が登場。
 カリカリの衣に包まれた鶏の胸肉のカタマリが4つ。トマケベースでガーリック風味が鼻腔をくすぐるしょっぱめソースがたっぷりと施されています。
 よくぞこれだけしっかりと揚げたものだというような焦げ茶色のカタマリにかぶりつけば、アッチッチで至福感は極めて高い。

 これを「こんなに美味なるチキンカツは食べたことはない!」などと褒め称えるヒトはまずいないと思いますが、空腹に大量のメシと合わせてつっこんだときの幸せといったらありません。きっと濃い味のソースが食欲を痛烈に刺激するのでしょう。

 メインディッシュはこれにちくわのフリッターマヨネーズ添えとたっぷりレタス。ほかには青菜漬けと、ひらひらに切った豆腐、ワカメ、高野豆腐の味噌汁がどんぶり仕立てで登場します。

 食後は舌がひりひりする塩辛さがあります。
 なお、ハンバーグと豚カツのジャンボメニュー850円がありますが、自分は普通のメニューでも十分満腹になれたので、おそらく一生頼まないで終わることでしょう。
 順当にいけば、自分の一生よりも、じいさんの一生、もしくは大王食堂の一生のほうが先に終わりが来るのかもしれないし。

 じいさんは作り終えたらさっさと先ほどの部屋に襖を閉めて戻ってしまうし、ほかに客は来ないし、退店するまで終始一人の食事でした。
 でも、再訪問の機会をつくりたいと思わせる何かがこの店にはある感じ。
 その時は何を食べようかな。カツ丼か豚カツ定食かな? 麺類もいいな。

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