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antan 201508

 この8月で店を閉めるらしいとの情報を得て、これは急ぎ行くしかあるまいと考え、行ってみました。
 スープが変わっているらしく、ずっと前から訪問するつもりでいた、鶴岡市の安丹にある店です。
 8月後半のある日の開店時間に訪問したところ、まだ暖簾が下がっていず、入り口の前には20人ほどの列。おお、彼らは最後にもう一度ここのラーメンを味わっておこうという人たちなのだな。

 念願の、あんたんラーメン680円。
 ただのとんこつラーメンのように見えなくもありませんが、そうではありません。
 スープは、微妙に酸味を帯びた白湯。マヨネーズが入ってんじゃない?との意見もあるようで、そんな酸っぱさがオリジナリティの源なのでしょう。一口目は「ん??」となりますが、啜るほどにその独特の味が舌に馴染んできます。

 トッピングは、モヤシ、キャベツ、タマネギ、ニンジンを多めの豚挽肉とともにジャーッとやったものオンリー。タマネギの甘みが効いておいしい。チャーシューやメンマなどは入りません。
 その炒め野菜にスープを注いで煮出しているのでしょう、全体としてやさしい味に仕上がっていました。
 麺は、中太のストレート。太くないわりにかなりもっちり感のあるいい塩梅のものです。

 おそらくこの風変わりなスープに再びまみえることは、自分はもうないのでしょう。
 食べ終わって店を去る客たちが口々に高齢の店主に感謝や労いの言葉をかけて去っていく光景を見ながら、地元の人々から愛されてきた店だったのだなと改めて認識すると同時に、こうして繁栄や栄光は少しずつ過去のものになっていくのだなと、浮世の諸行無常を思ったところ。
 永い間お疲れ様でした。そして、どうもごちそうさまでした。

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