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 昼食時、米沢ラーメンを食べるのになぜこの日、格別メジャーとは思えないこの店を選んだのか。
 それは、2009年4月1日、米沢駅から職場までの道のりをとぼとぼと歩いていたときに偶然発見したのがこの店だったからなのです。

 その時は早朝だったので店は開いていず、わりと新しい店のたたずまいをぼんやり眺めながら、「おれはいずれこの店にも立ち寄って、米沢ラーメンをもそもそと食べたりするのだろうな……」などと考えていたのでした。
 それを早くも実現するために。う~む、おれって思い込んだらすぐにヤルほうなのかも。

 正午を10分以上も過ぎているのに、店に入れば客もなくけだるい雰囲気。そういうのも、なんとなく気に入りました。けだるさの原因は、愛想もなく覇気もないばあさまが店を切り盛りしているからなのかもしれません。

 中華そば大盛り、550円+100円。
 ばあさまが両手でドンブリを持っての配膳。お盆に載せないのか? まぁ、こういう登場スタイルも、なにか懐かしくすら感じたりもするものです。

 スープは極めてシンプル。旨すぎない、素朴ないい味で、ワカメの磯の香りが独特です。
 麺は、やや黒みを帯びたいかにも米沢ラーメンという感じのシロモノですが、欲を言うなら縮れの具合がもう一息でしょうか。

 チャーシューもメンマもネギも、それぞれが主張しあうということを忘れてしまったかのように、フツーにドンブリ内に鎮座しています。朴訥、そして、素敵。
 箸で麺をつまみあげ、息を吹きかけ黙々と口に運べば、ほろほろとした米ラー特有の極上至福の感覚が。

 ラーメンはいいなあ。安いし、どの店も雰囲気が大衆的だし、食べる側の気負いなんてのはまったく不要だ。
 こういうモノにあたかも命を賭けて取り組んでいますというようなラーメン店主というのはかなりマヌケなのだなぁと、フト思う。
 大衆派は大衆派らしくしていればいいのだ、客も、店も。
 なあ、ばあさまよ。

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