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sapporo-yamagata 201106

 先の東京出張では、坦々麺、乾麺風稲庭うどん、カレーうどん――というように、麺類の王道から多少はずれたものばかりを食べていました。
 麺の王道とはナニカ?! 王道といえば、やはりごまかしや虚飾を排した中華そばと決まっているではないか。

 純粋中華が食べたい。フツーの人ならばこれだけ麺が続けば、ごはん類とかがほしくなるのでしょうが、自分は中華そばである。
 ということでチョイスしたのは、北山形駅方面にある「さっぽろ」。米沢勤務時には“お堀端”や“桂町”のさっぽろによく行きましたが、この店は初です。

 食べたいなぁとイメージしていたものがそのまま現実になって登場したかのような、中華そば大盛り600+150円。
 いい塩梅です。こういう秀逸な手打ち麺を食べたかったのです。心持ち灰色を帯びている麺は、ほぼ打ったばかりと思われる手もみの効いたもので、まったく文句なし。
 スープは、これぞ支那そばというようなシンプルかつあっさりとした醤油味で、至福感ばっちり。

 食べながら、人は何のために働き、生活し、どのように食欲を満たしていくのかについて考えました。
 つまるところ人間は、空腹感を解消するためにものを食べるのであって、うまいから食べるというのは本来的ではないはずです。
 このことをラーメンに照らして考えれば、ラーメンのスープがいくらおいしくても空腹は存分には満たせない。つまりラーメンも、麺があって空腹が満たせればこその食べ物なのでしょう。ならば、麺こそが、もっと重要視されてもいいはずなのではないか。

 ところが昨今のラーメン業界をみると、その肝心な麺を自分でつくらず、スープのダシなどにばかりこだわって、いわば消費者の関心をあらぬ方向にそらして営業しているところが多くなっているのではないか。
 そういうことは新作系のラーメン店に多いような気がするが、どうだろうか。

 蕎麦屋は自ら蕎麦を打つし、職人というものは昔から、自分の技でモノをつくりだし、それを売ったものだ。
 ところが昨今のラーメン屋はというと、仕入れたものをこぎれいに丼に並べているだけではないか。
 そういう店が目指しているところは巷のファストフード店となんら変わるところがない、と言い切っていいだろうと思う。

 ここで声を大にしていいたいのは、ラーメン愛好家よ、だまされるでないぞ! ということ。
 おれたちはファストフードではなく、店主が身体を使い、丹精込めてつくる一杯を選んで味わおうではないか。

 あ、ちょっと主張が強くなりすぎてしまったかなぁ。
 とにかく、さっぽろの中華はうま~い一杯でした。こういうものを味わえない東京のヒトたちはかわいそうだな。

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