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saraya 201204

 たぶん20年ぶりぐらいの寒河江「皿谷食堂」。
 中華そば大盛り600+100円。

 市内中心部の老舗らしく、店のつくりは間口が狭く奥行きがあり、小さなテーブルを囲んでベンチシートがずらり並んでいるという、これはそう、昭和中期の駅前食堂といった風情でしょうか。
 懐かしさを感じつつ食べる中華そばは、かつて呼びならわした「支那そば」と言うべきもののようです。

 スープは、醤油味が際立つ素朴なもので、香りにはほんのりと生姜が。いいなぁ、これ。
 凝りすぎたスープばかりが目立つ昨今ですが、こういうものこそニッポンのラーメン本来の味なのではないかと思う。

 麺はやや細めのストレートに近いもので、これといった特徴はありません。それは、裏を返せばラーメンのスタンダードでアルということでもあり、こういう類のラーメンとしてはむしろ歓迎すべきことだと思う。

 トッピング、と言うと現代風になってしまうのであえて「具」という言葉を使いたくなるものたちは、硬めで噛めば噛むほど味わいが増してくるような牛製のチャーシューが4枚、大盛りになると追加される茹で玉子1/2、ぶつ切りのネギ、小さめの海苔。
 秀逸なのはシナチク。甘みの強い味付けがされており、かつて具が麺を啜るときの「おかず」だった頃を髣髴とさせるようななつかしいものでした。

 食後の後味はなぜか甘みの残るものでした。砂糖とか味醂とか、なにかこの店独特の趣向があるのだと思います。これが食べる者に中毒症状を呈させるのではないかと思量します。

 この素朴さ、かつての大衆食堂の味を再現できる店が少なくなってきている状況にあって、こういう店は貴重。味を変えることなく末永く営業し続けてほしいと願うものです。

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